プラトニックチェーン

『プラトニックチェーン』とは

『プラトニックチェーン』は、渡辺浩弐氏によるショートショートを原作とした、アニメ、漫画、小説など多岐に展開するメディアミックス作品です。監視カメラが至る所に存在する社会を舞台に、天才ハッカー「プラトニックチェーン」を軸とした物語が描かれています。各メディアで異なる展開を見せる点が特徴です。

概要

原作のショートショートは、『週刊ファミ通』で連載され、全100話に及びました。アニメはフル3DCGで制作され、2001年にパイロットフィルムが公開された後、2002年からテレビ東京で全24話が放送されました。放送時間は深夜帯の10分間という短い枠でしたが、その独特の世界観が人気を博しました。

漫画版は、遠野ヤマ氏によって『月刊Gファンタジー』で連載されました。さらに、漫画版を元にした長編小説『晴れときどき女子高生 プラトニックチェーン』も出版され、小説版の挿絵は岡崎武士氏が担当しています。スクウェア・エニックスからはアンソロジーコミックも発売されており、様々な作家が参加しています。

共通設定

物語の舞台は、至る所に防犯カメラや携帯カメラが存在する監視社会です。某国には、これらのカメラが収集する全ての情報にアクセスできるスーパーコンピュータが存在するとされています。そのコンピュータをハッキングしたのが、通称「プラトニックチェーン」と呼ばれる謎の女性ハッカーです。彼女は「プラチェ」や「ネットの女神サマ」とも呼ばれ、物語の中心人物として描かれます。

登場人物

漫画版と長編小説版では、主要キャラクターのリカ、ナルミ、カヤノの3人は共通していますが、フルネームはそれぞれ異なります。これは、当初、各メディアで設定に差異が出る可能性を考慮したためですが、結果的には同一人物として扱われています。ただし、3人の出会いは各メディアで異なっており、パラレルワールドのような構成となっています。

ショートショート版: 田中ひとみ、神楽リカ、水原香奈恵
漫画版: 雛木リカ、天野成美、茅野ひとみ
長編小説版: 比奈紀利香、成宮まの、眸かやの
テレビアニメ版: 田中ひとみ、神楽坂リカ、清水香奈恵

テレビアニメ版

キャスト

田中ひとみ - 千葉紗子
神楽坂リカ - 野中藍
清水香奈恵 - 綱掛裕美
ケンイチ - 本田健太朗
マコト - 友井雄亮
ユキ - 長谷川静香
シンジ - 菅沼久義
サチコ - 牛川とこ
菜恵 - 徳澤直子

スタッフ

原作 - 渡辺浩弐
監督 - 亜蘭隅子
脚本 - 伊丹あき
演出 - 片貝稔
キャラクターデザイン - 岡崎武士
音楽 - I.S.O

主題歌

オープニングテーマ: 「"Go"Remixed by KG-K」（Baby V.O.X|Baby_V.O.X feat.K-ONE）
エンディングテーマ: 「Q-Tee」（市川藍）、「Go」（Baby V.O.X|Baby_V.O.X）、「Distance」（FUZZION）
DVD版エンディングテーマ:「虹の橋」（岩井久美子）

各話リスト

DVD版では、第16話「おやじカメラ」が「暗殺実行中」と改題され、一部内容が変更されています。テレビ版のエンディング映像がDVD版に流用されている箇所もあります。

書籍情報

小説

エンターブレイン版 (全3巻)
晴れときどき女子高生〜プラトニックチェーン〜（集英社）
星海社版 (上下巻)

コミック

プラトニックチェーン (全5巻)
プラトニックチェーン Selected Stories (アンソロジーコミック 全3巻)

関連情報

渡辺浩弐
岡崎武士
2000年のゲーム・キッズ - 『プラトニックチェーン Selected Stories』に収録された『キリング・フィールド』は、本作の一篇『殺戮ゲーム』を元にしている。

外部リンク

作者公式サイト
晴れときどき女子高生 プラトニックチェーン 公式サイト

『プラトニックチェーン』は、各メディアで異なる魅力を持つ作品です。監視社会というテーマを軸に、それぞれのメディアで独自の物語が展開されています。メディアミックス展開ならではの多様な楽しみ方ができる作品といえるでしょう。

もう一度検索