プラネター

プラネター（Planetar）

「プラネター」とは、天文学分野で過去に提案された用語であり、「惑星」(planet)と「恒星」(star)を組み合わせた造語です。この言葉には主に二つの異なる定義が提唱されましたが、いずれも天文学や惑星科学の専門家の間で広く一般的に使われるまでには至りませんでした。

褐色矮星との関連性における定義

一つ目の定義は、質量が褐色矮星の下限を超えるような天体でありながら、その形成過程が惑星に似ているものを指します。通常の褐色矮星は、星形成と同様にガス雲の重力収縮によって誕生すると考えられています。これに対し、この意味でのプラネターは、惑星が誕生するのと同じように、原始星の周囲にあるガスや塵の円盤への物質の降着、あるいは核崩壊といったメカニズムで形成されたと想定される天体です。褐色矮星との明確な区別は難しい場合もありますが、形成過程の違いをもってこの用語が用いられることがありました。このような天体は、「極超巨星惑星」とも呼ばれることがあります。

自由浮遊惑星との関連性における定義

もう一つの定義は、恒星を公転する軌道を持たない、比較的小さな冷たい天体、特に褐色矮星よりも質量の小さいものを指します。惑星を「恒星の周りを公転する天体」と定義する場合、単独で宇宙空間を漂う惑星質量の天体、いわゆる「自由浮遊惑星」は惑星と呼ぶことができません。このような天体は、恒星のように単独で存在することから、プラネターと呼ばれることが提案されました。しかし、国際天文学連合（IAU）の太陽系外惑星に関する作業部会は、2003年にこのような天体を「準褐色矮星」（sub-brown dwarf）と呼ぶことを推奨しました。

これらの恒星に束縛されない天体の中には、形成時に周囲にあったガスや塵が円盤状に残っているものも存在します。例えば、太陽系外惑星として知られる2M1207bも、このような円盤を持っていることが観測されています。

用語の現状

前述の通り、質量や形成過程、あるいは存在形態（恒星を公転するか否か）に基づいて「プラネター」という言葉を使おうという試みはありましたが、結果として天文学コミュニティで広く認知され、定着した用語とはなりませんでした。

関連項目

準褐色矮星
褐色矮星
自由浮遊惑星
木星型惑星
* フューザー

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