プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角

『プリティ・イン・ピンク／恋人たちの街角』は、1986年に公開されたアメリカ合衆国の青春映画です。監督はハワード・ドゥイッチ、製作と脚本はジョン・ヒューズが務め、モリー・リングウォルドが主演を務めました。

本作は、経済的に苦労する家庭で育ったアンディと、裕福な家庭に育ったブレーンという、異なる境遇の高校生たちの恋物語を描いています。卒業間近の高校生活の中で、アンディは、金持ちのステッフから執拗なデートの誘いを断ったことで、彼から侮辱的な言葉を浴びせられます。一方、アンディは、プロム（卒業舞踏会）への参加を悩んでいます。

そんな中、ブレーンがアンディをデートに誘い、二人は初めてのキスを交わします。しかし、彼らの交際は、ブレーンの友人であるステッフや、アンディの親友イオナ、そしてアンディに好意を抱くダッキーらによって、様々な妨害を受けます。ステッフは、ブレーンをそそのかし、アンディにプロムへの参加を断念させるよう仕向けます。

プロムに誘われなかったアンディは、心傷つきますが、イオナとジャック（アンディの父親）の励ましを受け、自らプロムドレスを作成することを決意します。彼女は、イオナとジャックからプレゼントされた二つのピンクのドレスを組み合わせ、オリジナルのプロムドレスを完成させます。

プロム会場に現れたアンディでしたが、途中で気持ちが変わり、引き返そうとしたその時、タキシード姿のダッキーが現れます。二人は一緒に会場に入り、そこでステッフの嫌がらせを目撃します。ステッフの行動に気づいたブレーンは、ステッフを会場から追い出します。そして、ブレーンはアンディへの想いを告白します。ダッキーはアンディとブレーンの仲を祝福し、身を引きます。その後、ダッキーは別の女性と踊る姿が見られます。

プロム会場を後にしようとするブレーンを、アンディは駐車場で追いかけます。ブレーンの愛車BMWのヘッドライトに照らされながら、二人はキスを交わし、映画は幕を閉じます。

この映画は、批評的にも商業的にも成功を収めました。北米での公開週末興行収入は606万5870ドル、劇場公開時の総収入は4047万1663ドルに達し、1986年公開映画の中で22番目の興行収入を記録しました。

映画の内容について、フリーライターの佐藤友紀氏は、貧しい設定のアンディの家が立派な一軒家だったことに触れ、アメリカの富裕層の経済力に驚いたと語っています。また、2010年には『エンターテインメント・ウィークリー』誌で、主要キャストによる座談会が掲載されました。

サウンドトラックには、オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダークのヒット曲「If You Leave」が使用され、2012年にはアメリカの音楽サイトSpinnerが発表した「映画サウンドトラックベスト15」に選ばれました。

アンディの愛車はフォルクスワーゲン・カルマンギア、ブレーンの愛車はBMW 318iという設定も、それぞれのキャラクターの個性と社会的地位を表す重要な要素となっています。アンディのカルマンギアは、彼女の個性的なファッションセンスと調和し、映画の世界観を彩っています。

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