プリンスパラタイン

プリンスパラタイン：英国競馬史に名を刻んだ名馬

プリンスパラタイン (1908年 - 1924年) は、イギリスが生んだ伝説的名馬の一頭です。クラシック競走ではセントレジャーステークスのみ制覇という結果に終わりましたが、古馬になってからの活躍は目覚ましく、イギリス競馬界に大きな足跡を残しました。

1908年、名種牡馬パーシモンの最後の産駒として誕生したプリンスパラタイン。母はアイシングラス産駒のレディライトフットです。馬名は、ドイツの地名「カウンティーパラタイン」に由来しています。

2歳時は6戦3勝とまずまずの成績でしたが、脚部不安を抱えて2000ギニー、エプソムダービーへの出走を回避。しかし秋には見事に復活し、セントレジャーステークスを6馬身差の圧勝で制しました。

3歳時以降の活躍はさらに目覚ましく、1911年にはジョッキークラブステークス、アスコットゴールドカップ、エクリプスステークス、ドンカスターカップを制覇。翌1912年もアスコットゴールドカップを連覇するなど、イギリス古馬戦線を席巻しました。特に1912年の活躍は際立っており、数々のビッグレースを制覇しています。この活躍により、1912年と1913年にはイギリス年度代表馬に選出されています。

競走生活のピークを過ぎたプリンスパラタインは、4万5000ポンドという高額で買い取られ、1914年から種牡馬として供用されました。種付け料は400ギニーと高額でしたが、残念ながら受胎率の低さから、目覚ましい活躍馬を輩出することはできませんでした。リーディングサイアー9位にランクインした実績はありますが、期待されたほどの活躍は果たせませんでした。

その後、フランスのウィイー牧場を経てアメリカ合衆国へと渡りましたが、アメリカでの成功も叶わず、1924年、ケンタッキー州ハラパファームで発生した火災により、その生涯を終えました。彼の孫であるプリンスローズ、アンブレーカブレ、ハリーオフなどは活躍し、その血統の偉大さを後世に示しました。

プリンスパラタインの競走成績は、セントレジャーステークス優勝を始め、アスコットゴールドカップ連覇、ジョッキークラブステークス、エクリプスステークス、ドンカスターカップ制覇など輝かしいもの。コロネーションカップではステッドファストに敗れ2着に終わっていますが、他のレースでの圧倒的な強さは、彼の能力の高さを物語っています。

彼の産駒も、ローズプリンス（クイーンアレクサンドラステークス優勝）、ヒーゴーズ（アイリッシュダービー優勝）、ジャンボローニャ（ジョッキークラブ大賞、イタリア大賞優勝）、ブルーグラス（アンブレーカブレ、ハリーオフ、ブロードサイドの母）など、多くの活躍馬を輩出しました。

短い競走生活、そして種牡馬としての成功には影があったものの、プリンスパラタインはイギリス競馬史にその名を刻んだ、紛れもない名馬と言えるでしょう。その華々しい活躍と悲劇的な最期は、競馬ファンにとって永遠に語り継がれる物語です。

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