プレクスター

プレクスター(PLEXTOR)とは



プレクスター（PLEXTOR）は、日本の電機メーカーであるシナノケンシ株式会社が、情報機器、音響機器、印刷機器に用いるブランド名として展開しています。また、台湾のPHILIPS & LITE-ON DIGITAL SOLUTIONS (PLDS) が展開するソリッドステートドライブ（SSD）のブランド名としても知られています。

ブランド名の由来は、ラテン語で「織る」を意味する「plex」と、シナノケンシの主要製品である電動機（モーター）を組み合わせた造語です。この商標権はシナノケンシが保有しています。ファンからは「プレク」という愛称で親しまれています。

かつてはシナノケンシの子会社として、コンピュータ周辺機器や業務用印刷機器の販売・サービスを行うプレクスター株式会社が存在しましたが、2007年にシナノケンシ本体へと全業務が移管されました。


製品



CDドライブ



1989年に発売を開始したプレクスターのCD-ROMドライブは、その高速化技術で業界をリードしました。4倍速（1994年）、6倍速（1995年）、12倍速（1996年）と速度を上げ、1998年には最大40倍速に達する「UltraPlex 40max」を発売しました。しかし、記録型ではないCD-ROMドライブは2002年に生産を終了しています。

記録型CDドライブ「PlexWriter」シリーズでは、1997年に「PX-R412C」を発売し、2000年にはバッファーアンダーランエラー回避技術「BURN-Proof」を採用したCD-R/RWドライブを投入しました。2003年には、プリマスタリング向けの「PlexMaster」シリーズを発売し、その後、最終完成形を謳った「PlexWriter Premium」を発売しました。この製品には、700MBのCD-Rメディアに1GB近いデータを記録できる「GigaRec」や、静粛化技術「SilentMode」など、多くの独自技術が搭載されていました。2006年には後継製品「PlexWriter Premium 2」が発売され、大容量バッファメモリや低速書き込みモード、ヤマハの記録品質向上技術「AudioMASTER」が採用されました。

DVDドライブ



プレクスターのDVDへの対応は、2002年発売の「PlexCombo」が最初でした。これはCD-R/RWの読み書きに加え、DVDの読み出しに対応したコンボドライブでした。他社が1999年から同様の製品を市場に投入する中、市場が待ち望んだDVD対応製品でした。2003年には初の記録型DVDドライブ「PX-504A」を発売しましたが、これはNECのOEM製品でした。その後、BUFFALOへのOEM提供や、自社初の純正DVDドライブ「PX-708A」を発売し、DVD-R/-RWに対応しました。

Blu-ray Discドライブ



2006年、プレクスターは記録型Blu-ray Discドライブの開発を発表し、BDAの会員となりました。国内市場では「PX-B910SA」（2008年）、「PX-B940SA」（2010年）の2機種を販売。その後、2012年にはPLDS製の「PX-B950SA」がリンクスインターナショナルより販売されました。

ソリッドステートドライブ (SSD)



2009年、プレクスターブランド初のSSD「PX-M1」を発表。2010年にはリンクスインターナショナルが「PX-128M2S」「PX-64M2S」を発売しました。これらのSSDは、シナノケンシや旧プレクスター株式会社ではなく、台湾のPLDSが製造しています。プレクスターのSSDは、性能や信頼性の高さが評価されつつも、比較的手頃な価格で提供されています。また、長期使用に伴う性能低下を防ぐ「TrueSpeed」など、独自開発のファームウェアが搭載されています。

ただし、シナノケンシおよび旧プレクスター株式会社は、プレクスターブランドのSSD製品に関するサポートを行っておらず、ライトンが運営するプレクスター製品のウェブサイトや代理店がサポートを担当しています。アユートは2013年から正規代理店を務めてきましたが、2023年6月30日をもって輸入販売業務を終了しました。


その他の製品



プレクスターは、以下のような製品も展開しています。

ハイスピードカメラ・サーモグラフィー「PlexLogger」
 補聴器「美聴」
ドライブレコーダー「PlexCam」
 CD/DVDデータ破壊装置「PlexEraser」
CD/DVD複製装置「PlexCopier」
 CD-ROMサーバ「NET PLEX」
CD-BGM
 マルチメディアコンテンツ配信機器「インターメディアシステム」
音楽CD試聴装置「ListeningStation」
 ヒーリングサウンドクリエイター「MIZUCOTO」
電話周辺機器
 CD読書機 「PLEXTALK」
業務用印刷機
 録画装置「ConvertX」


プレクスター株式会社



プレクスター株式会社は、1985年にシナノケンシの完全子会社として設立されました。設立当初の社名はテクセル株式会社でしたが、1994年にプレクスター株式会社へと変更されました。そのルーツは、1972年にシナノケンシが買収した花岡縫製株式会社にあります。花岡縫製は、当初は制服の縫製事業を行っていましたが、後に電機製品の組み立て事業へと転換しました。

プレクスターは、CD-ROMドライブの開発で業界をリードし、2000年には売上高がピークに達しました。しかし、海外メーカーからの価格攻勢を受け、2007年に全業務を親会社に移管し、休眠[[会社]]となりました。


プレクスターは、光学ドライブの分野で確固たる地位を築き、その技術力と信頼性で多くのユーザーに支持されてきました。現在では、SSDにおいてもそのブランド力を活かし、多くのユーザーに選ばれています。

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