プレーテープ

プレーテープは、1966年にアメリカで開発・規格化された、音楽用の小型エンドレスカートリッジと再生機器です。

概要

プレーテープのカートリッジは、コンパクトカセットよりもわずかに小さいケースに、1/8インチ幅の2トラック構成の音声用テープを収納しています。再生装置はポータブル型が中心で、手軽に音楽を楽しめるように設計されていました。日本では1970年頃から、東京芝浦電気（現在の東芝）がラジオ付きの再生機を発売し、国内オリジナルの音楽ソフトも提供されました。これにより、一時的にプレーテープは日本でも普及しましたが、その収録時間の短さがネックとなりました。

多くのプレーテープカートリッジには、わずか4曲しか収録されておらず、当時主流であった4トラックカートリッジや8トラックカートリッジと比較して、大きなアドバンテージを持っていませんでした。このため、他社の参入も少なく、数年と経たずに市場から駆逐されることとなりました。その結果、4トラックカートリッジや、後にパイオニアが開発したハイパックと比較しても、日本国内での知名度は非常に低いものとなっています。

プレーテープは、そのコンパクトさと手軽さから、一定の需要があったものの、技術的な制約と市場競争の激化により、短期間で姿を消すこととなりました。しかし、その存在は、音楽メディアの変遷を語る上で重要な一例として、記憶されるべきでしょう。

補足

1971年にパイオニアが開発・製品化したハイパックは、プレーテープと同じカートリッジを使用していますが、テープの幅とトラック数が異なり、互換性はありません。ハイパックは、プレーテープよりもテープ幅が広く、より高音質な録音と再生を可能にしていました。そのため、プレーテープ用の機器でハイパックを再生すると、故障やデータの破損を引き起こす可能性があります。プレーテープとハイパックは、カートリッジの形状が似ているため、誤って使用しないように注意が必要です。これらの規格の違いは、当時の音楽メディアの多様性と、技術的な競争を象徴するものでもあります。

プレーテープは、短命に終わった規格ではありましたが、その存在は、ポータブルオーディオの歴史において重要な一章を刻んでいます。技術的な制約から、その寿命は短かったものの、コンパクトな音楽メディアへの需要が存在したことを示す、貴重な例と言えるでしょう。

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