プログレスM-22M

プログレスM-22M

プログレスM-22M（ロシア語名: Прогресс М-22М）は、ロシア連邦宇宙局によって運用された国際宇宙ステーション（ISS）への無人宇宙輸送機です。2014年に打ち上げられ、ISSに滞在するクルーへ食料や燃料といった生命維持に必要な物資を届けました。北米のNASAや日本のJAXAなどでは、この補給船をプログレス54、あるいは54Pという名称で呼称しました。

機体の特徴

プログレスM-22Mは、プログレス補給船の改良型にあたる11F615A60シリーズの22号機として製造され、シリアル番号は422が付与されていました。この機体のミッションでは、特徴的な運用方法である「6時間会合方式」が採用されました。これは、打ち上げからISSへのドッキングをわずか数時間で完了させる迅速なアプローチであり、従来の2日間にわたるランデブーと比較して、ISSの軌道や姿勢制御への影響を最小限に抑えつつ、緊急性の高い物資を素早く届けることを可能にします。

運用経緯

プログレスM-22Mの打ち上げは、グリニッジ標準時（GMT）で2014年2月5日の16時23分に行われました。場所は中央アジアに位置するカザフスタン共和国にある、歴史あるバイコヌール宇宙基地からです。この打ち上げは、ロシアが2014年に入ってから実施した最初の宇宙ロケット打ち上げミッションとなりました。

打ち上げ後の追跡軌道投入は計画通りに進み、プログレスM-22Mは国際宇宙ステーションへのランデブーを開始しました。そして、打ち上げからわずか6時間足らずとなる同日22時22分（GMT）には、目標である国際宇宙ステーションへ無事到達。高度な自動操縦システムによって、ISSのロシア側区画にあるピアースモジュールに正確にドッキングしました。この迅速なドッキング成功は、6時間会合方式の高い実証となりました。

ISSとの結合状態は約2ヶ月間にわたり維持され、ステーションへの補給任務が遂行されました。この期間中、ISSに滞在する第38次長期滞在ミッションのクルーたちは、プログレスM-22Mによって届けられた物資の搬入作業などを行いました。

補給任務を終えたプログレスM-22Mは、2014年4月7日にISSからドッキングを解除されました。その後は単独での自由飛行期間に移行し、いくつかの軌道上における科学実験が実施されました。これらの実験は、補給任務とは異なる工学的なデータ取得や、宇宙環境を利用した研究を目的としていました。最終的に、この宇宙船は2014年4月18日に制御された形で軌道を離脱し、地球の大気圏に再突入して燃え尽きる形でその役目を終えました。これは、運用を終えた宇宙機を安全に処分するための一般的な方法です。

搭載物資

プログレスM-22MがISSへ輸送した物資の総重量は2370キログラムに達しました。この重要な貨物の中には、ISSに滞在する第38次長期滞在ミッションのクルーが必要とする、多様な品目が含まれていました。具体的には、宇宙飛行士の生命維持に不可欠な食料品、ISSの姿勢制御や軌道維持に使用される推進剤としての燃料、船内の環境維持に必要な水や酸素、さらには科学実験に使用される機材や、宇宙飛行士の個人的な物品、修理やメンテナンスに必要なスペアパーツ、そして宇宙船やステーション自体の運用に関わる各種貨物や補給品などが含まれていました。これらの物資の輸送は、ISSでの長期滞在ミッションを継続するために不可欠なものでした。

関連項目

* 国際宇宙ステーションへの無人宇宙飛行の一覧

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