プログレスM-47

プログレスM-47

プログレスM-47は、ロシア連邦宇宙局によって運用された無人宇宙補給船です。国際宇宙ステーション（ISS）への重要な物資供給を主任務として設計されたこの機体は、その形式からプログレス-M（型式番号11F615A55）に分類され、シリアル番号247が付与されていました。NASAにおいては、便宜上Progress 10あるいは10Pといった名称で参照されることもありました。

このプログレスM-47の打ち上げは、特に歴史的な背景を帯びています。打ち上げ前日に発生したコロンビア号空中分解事故という悲劇により、スペースシャトルによるISSへの飛行は一時的に全面的に見合わせられることとなりました。これにより、ISSへの人員や物資の輸送手段は、ロシアのソユーズ宇宙船とプログレス補給船のみに限定されることとなったのです。プログレスM-47は、まさにそのシャトル飛行停止期間において、コロンビア号事故後初めてISSに向けて打ち上げられた宇宙機であり、途絶えかけたISSへの生命線を維持する上で極めて重要な役割を担いました。

運用経過

プログレスM-47のミッションは、2003年2月2日のグリニッジ標準時(GMT)12時59分40秒に開始されました。カザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地の1/5発射台から、信頼性の高いソユーズ-Uロケットによって宇宙へと送り出されました。順調な飛行の後、打ち上げからわずか2日後の2003年2月4日GMT14時49分4秒に、ISSのズヴェズダモジュールに設けられたAftポートへ無事ドッキングを成功させました。

ISSに結合されたプログレスM-47は、以降約7ヶ月間にわたりステーションに滞在し、補給船としての役割を果たしました。その任務を終え、後続のプログレスM-48の到着に備えるため、2003年8月27日GMT22時48分8秒にISSからドッキングを解除しました。ドッキング解除から間もなく、翌日である8月28日のGMT1時49分に軌道を離脱するための制御が行われ、機体は太平洋上空で大気圏に突入し燃焼処分されました。そして、完全に燃え尽きなかった残骸は、同日GMT2時37分46秒頃に海上に落下したとされています。

搭載された物資

この重要なミッションにおいて、プログレスM-47にはISSでの長期滞在を続けるクルーたちの生活と活動を支えるための多岐にわたる物資が搭載されていました。特に、第6次長期滞在およびその後の第7次長期滞在を予定していた宇宙飛行士たちのために、食料、水、そして生命維持に不可欠な酸素といった基本的な必需品が運び込まれました。これらに加え、ISS船内で行われる様々な科学実験に使用される装置類も積載されており、宇宙での研究活動の継続にも貢献しました。

プログレスM-47は、コロンビア号事故という困難な時期においてISSへの補給を途絶えさせないための重要な架け橋となり、その役割を無事に遂行しました。その運用は、宇宙開発における補給ミッションの継続的な重要性を示す一例と言えるでしょう。

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