プログレスM-49

プログレスM-49

プログレスM-49（Progress M-49）は、国際宇宙ステーション（ISS）への物資輸送のために運用されたロシア連邦宇宙局の無人宇宙補給船です。この機体は、プログレス補給船のバージョンであるProgress-M 11F615A55シリーズに属し、シリアル番号249として製造されました。NASAにおいては、ISSへの補給フライトの通し番号から「プログレス14」（Progress 14、略称: 14P）とも呼称されています。

飛行の軌跡

プログレスM-49の宇宙への旅立ちは、協定世界時（GMT）2004年5月25日13時54分43秒に実行されました。打ち上げは、カザフスタン共和国に位置する広大なバイコヌール宇宙基地の第一射点（Site 1/5）から、信頼性の高いソユーズ-Uロケットに搭載されて行われました。

打ち上げから約2日後の同年5月27日13時54分43秒、プログレスM-49は国際宇宙ステーションのロシア側区画にある「ズヴェズダ」サービスモジュールの後方（Aft）ポートに無事ドッキング（結合）しました。この結合により、ISSでの長期滞在を行う宇宙飛行士たちの活動を支えるための重要な補給ミッションが開始されました。

この補給フライトでは、ISSに滞在するクルーが必要とする多種多様な物資が届けられました。具体的には、ISSの軌道維持や姿勢制御に使用される推進薬、宇宙飛行士たちの生命を維持するための食料や飲料水、そして呼吸に必要な酸素などが含まれています。さらに、軌道上での科学実験や研究活動を進めるための様々な機材や消耗品も搭載されていました。これら全ての輸送物資の総重量は、2,285キログラムに達しました。

プログレスM-49は、約2ヶ月間にわたりISSにドッキングしたまま、その役目を果たしました。この期間中、補給物資の搬入や、機体自身の推進システムを利用したISSの軌道修正などに貢献しました。

ISSでの任務を終えたプログレスM-49は、次に到着する新たな補給船であるプログレスM-50にその結合ポートを明け渡すため、ドッキング解除の準備に入りました。そして、協定世界時（GMT）2004年7月30日の6時4分48秒に、ISSからのドッキングを解除しました。

ISSを離れた後、プログレスM-49は地球への帰還に向けた最終段階へと移行しました。同年7月30日10時37分0秒には軌道離脱マヌーバが実施され、機体は地球の大気圏へと突入するコースに乗りました。太平洋上空での大気圏再突入により、機体の大部分は高速で落下する際に発生する激しい空気抵抗と摩擦熱によって燃え尽きました。燃え尽きずに残った一部の頑丈な構造物は、大気圏を通過した後、協定世界時（GMT）およそ11時23分35秒に、あらかじめ設定されていた太平洋上の広大な海域へと落下し、その短いながらも重要な任務に終止符を打ちました。

関連項目

プログレス補給船の飛行一覧
国際宇宙ステーションへの無人宇宙飛行の一覧

もう一度検索