プロダクション人力舎

株式会社プロダクション人力舎

株式会社プロダクション人力舎は、日本の芸能事務所で、特にお笑いタレントのマネージメントに力を入れていることで広く知られています。この事務所は1977年に設立され、設立者の玉川善治は19歳からマネージャーとしての経験を積んでいました。名称の「人力舎」は「人の力の在り処」を意味し、風刺的な側面を持ったユーモアも含まれています。

沿革の歴史

人力舎は、設立当初から劇団東京乾電池を受け入れ、その後もシティボーイズやマギー司郎、竹中直人など数々の人気タレントを輩出してきました。また、フリーのとんねるずもデビュー前に声をかけられていたというエピソードがあります。当初、人力舎はキャバレー業務が主でしたが、次第にお笑いがテレビに進出し始める時期でもありました。玉川は45歳までは全てのタレントのマネージャーとして、スケジュールの管理や支援に注力していました。

1992年には、シティボーイズやB21スペシャルを独立させ、その資金を使って東京初のお笑い専門学校「スクールJCA」を設立しました。この学校は今も多くのタレントが在籍することで知られ、現在活動する多くの芸人がそこで学んでいます。2010年には玉川善治が亡くなり、長男で副社長だった玉川大が代表取締役に就任しました。その後、事務所は西新宿に移転し、スクールJCAの稽古場も同ビル内に移動しました。

社風とタレントのマネジメント

人力舎の社風は、タレントを自立して育てることを重要視しています。スクールJCAを卒業したタレントは、さらに自主的にプロモーションを行う必要があり、個々のタレントには自主性が求められます。タレントの活動に関しては、イベントや企画もタレントと相談しながら進めていくスタイルです。「独立してこそ一人前」とされ、売れたタレントには独立や移籍を奨励する傾向があります。実際、シティボーイズやB21スペシャルは独立しましたが、1990年代以降は売れた芸人が移籍することは少なくなっています。もちろん、独立には一定の条件があり、12ヶ月連続で月収1000万円以上であることが求められています。

上下関係は緩やかであり、後輩が先輩を「さん」付けで呼ぶことは一般的ですが、プライベートでは敬語を使わないことも多いようです。一方で、他事務所の芸人との共演時には敬語や挨拶が必須となるため、しきたりやマナーは徹底されていません。

人力舎には、コント中心に活動する芸人が多く、「コントの人力舎」と称されることもあります。特に東京03やキングオブコメディは、キングオブ[[コント]]での成功を収めており、その実力が評価されています。また、事務所のライブでは特有のルールも存在し、コントでは拍手をしない慣習が広まっています。年に一度、刑務所慰問を行うなど、地域貢献にも積極的に関与しています。

不祥事と現在の活動

ただし、事務所は2010年に東京国税局から指摘を受け、約2億4千万円の所得隠しが発覚しました。追徴税額も含めて約1億円を修正申告する事態となりました。

現在、人力舎には多数のお笑いグループやピン芸人が在籍し、それぞれの個性を発揮しています。過去に所属していたタレントや、JCAプロモーションといったかつての下部組織に関わった芸人たちも、事務所の歴史を彩る一部となっています。

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