プロビデンス (ロードアイランド州)

プロビデンス

プロビデンス（英語: Providence）は、アメリカ合衆国ロードアイランド州の州都です。2020年の統計によれば、ここには約19万人が住んでおり、州内最大の都市です。しかし、市の中心部は広範な郊外に広がっているため、都市圏全体の人口は160万人以上に達するとされます。プロビデンスはニューイングランド地域でボストンに次いで大きな都市であり、北部のプロビデンス郡に位置して、マサチューセッツ州との境界に近い位置にあります。また、ボストンからの通勤電車もアクセス可能です。

名前の由来

「プロビデンス」という名前は、「神の摂理」を意味し、1636年に神学者ロジャー・ウィリアムズによって名付けられました。彼はこの地を、神の慈悲深い導きによって見出したとされています。ウィリアムズは以前、マサチューセッツ州でピューリタンによって追放され、ロードアイランドにたどり着きました。州の旧正式名称にはこの都市の名前が含まれており、「ロードアイランドおよびプロビデンス入植地」と呼ばれていましたが、2020年に後半の部分は正式に削除されました。プロビデンスの市中心部は「ダウンシティ」と呼ばれることもありますが、その由来は現在も明らかではありません。

地理

プロビデンスは北緯41度49分25秒、西経71度25分20秒に位置し、面積は約53.2km²です。このうち、陸地は47.8km²、水面は5.3km²を占め、面積の約10%が水域です。プロビデンス川の河口に位置しており、豊かな水資源にも恵まれています。

人口構成

2000年の調査によると、プロビデンスの住民数は173,618人、世帯数は62,389、家族数は35,873に及びます。人口密度はおおよそ3,629.4人/km²であり、67,915軒の住宅が建設されています。住民の人種構成は多様で、白人が54.53%、アフリカ系住民が14.54%、ネイティヴ・アメリカンが1.14%、アジア系が6.01%を占めており、その他の人種が約17.55%を占めています。ヒスパニック系またはラティノ系の住民は30.03%を占めており、コミュニティの豊かさを示しています。近隣のマサチューセッツ州フォール・リバーやロードアイランド州ウォーウィックも都市圏に含まれており、合わせて約1,188,613人の人口に達します。

地域には特にイタリア系アメリカ人が多く、マフィアの影響が色濃い地域としても知られています。また、ポルトガル系アメリカ人やベトナム系、カンボジア系のコミュニティも存在し、文化的な多様性が感じられます。

教育機関

プロビデンスには数多くの高等教育機関があります。中でもブラウン大学はアイビー・リーグの一員であり、その姉妹校であるロードアイランド・スクール・オブ・デザインが有名です。その他、ロードアイランド大学プロビデンス校やプロビデンス・カレッジ、ジョンソン・アンド・ウェールス大学なども存在します。ブラウン大学が位置するイースト・サイドは歴史的な景観が残るエリアで、アメリカ歴史協会によって指定された歴史的建造物保存地区として認められています。ブラウン大学の存在は地元経済に大きな影響を及ぼしていますが、不動産価格の上昇などを背景に必ずしも好意的に見られていない側面もあります。

交通アクセス

プロビデンスの主な空港は、近くのウォリック市にあるT・F・グリーン空港です。また、プロビデンス駅は北東回廊の重要な駅であり、アムトラックやボストンの通勤電車も利用できます。

有名人

プロビデンスは数多くの著名人輩出地でもあります。恐怖小説で知られるハワード・フィリップス・ラヴクラフトや、映画『スティング』の脚本家デヴィッド・S・ウォード、プロレスラーのマット・ハイソンなどが出身です。これらの人物たちはそれぞれの分野で功績を残しており、プロビデンスの文化的背景を豊かにしています。

姉妹都市

プロビデンスは国際的な交流都市としても知られており、カンボジアのプノンペン、イタリアのフィレンツェ、ラトビアのリガ、ドミニカ共和国のサントドミンゴなどと姉妹都市を結んでいます。

もう一度検索