プロビデンス・グレイズ

プロビデンス・グレイズ

プロビデンス・グレイズ（Providence Grays）は、1878年から1885年にかけてロードアイランド州プロビデンスで活動していたプロ野球チームです。このチームはナショナルリーグに加盟し、当時のメジャーリーグの中で歴史的な記録を達成するなど、非常に重要な存在でした。

球団の創設と背景

プロビデンス・グレイズは1878年に創設され、ナショナルリーグに加入しました。設立当初から、グレイズはリーグの上位チームとしてその地位を確立し、多くの注目を集めました。特に、1879年にはブラウン大学の選手ウィリアム・エドワード・ホワイトがチームに加わったことが注目されます。ホワイトは6月21日に出場し、アフリカ系アメリカ人選手としてメジャーリーグでの活躍が際立っていました。

成績と主な記録

プロビデンス・グレイズは、特に1879年にポール・ハインズが首位打者を獲得し、リーグ優勝を果たすなど、数々の功績を残しました。グレイズは1880年にはモンテ・ウォードがメジャーリーグ史上2度目の完全試合を達成し、また、1883年にはチャールズ・ラドボーンがノーヒットノーランを成し遂げるなど、華々しい成績を残しました。さらに、1884年にはチャーリー・スウィーニーが1試合で19奪三振というメジャー記録を樹立しました。

リーグ優勝の時代

1884年には、再びリーグ優勝を達成。この年はユニオン・アソシエーションの選手不足に苦しむ中での勝利でしたが、チャールズ・ラドボーンが59勝を挙げ、そのチームの中心選手として存在感を示しました。この成功により、アメリカン・アソシエーションの優勝チームとの年間王者決定シリーズでも勝利を収めることができました。

経営の苦境と解散

しかし、1885年に入り、これまで強豪として知られていたプロビデンス・グレイズは優勝争いから脱落しました。これにより経営基盤の脆弱さが露呈し、観客数の減少という厳しい現実に直面しました。結果として、チームはその年のオフに経営破綻に至り、ナショナルリーグから脱退し解散することになりました。なお、一部の資料によれば、1886年シーズン途中までイースタンリーグに所属して活動していたとも言われています。

後の球団

後年、1891年に同じ名称の球団が設立され、1929年までマイナーリーグで活動しました。このチームにはベーブ・ルースが投手として所属していたことでも知られています。

主な選手と記録

プロビデンス・グレイズには多くの著名な選手が在籍しました。ポール・ハインズは1878年に打撃三冠を達成し、その後首位打者や最多安打の記録も残しています。また、チャールズ・ラドボーンはメジャーリーグ記録の年間60勝を挙げ、モンテ・ウォードは通算145勝を挙げるなど、数多くの名プレーヤーがいました。

球団記録

• - リーグ優勝: 2回（1879年、1884年）
• - 年間王者決定戦優勝: 1回（1884年）
• - 通算安打数: 964（ポール・ハインズ）
• - 通算本塁打数: 23（ポール・ハインズ）
• - 通算打点数: 323（ポール・ハインズ）
• - 通算勝利数: 193（チャールズ・ラドボーン）
• - 通算防御率: 1.95（チャールズ・ラドボーン）

プロビデンス・グレイズは、その短命ながらもメジャーリーグの歴史に重要な足跡を残した印象深い存在でした。

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