プロペラ犬

プロペラ犬：水野美紀と楠野一郎による演劇ユニット

プロペラ犬は、女優の水野美紀と脚本家・構成作家の楠野一郎が主宰する演劇ユニットです。2007年から本格的に活動を開始し、共同で企画・制作を行っています。

結成の背景

二人の出会いは、過去のラジオ番組での共演に遡ります。長年の友人関係を経て、楠野が持ち込んだ一つの台本をきっかけに、2006年4月頃、プロペラ犬としての活動を決意しました。ユニット結成の動機は、「自分たちが興味のある人、好きな人と自由に仕事ができる場を作る」という思いからでした。そのため、作品ごとに演出家、キャスト、スタッフを自らの手で集めるスタイルを取っています。

活動目標と展開

旗揚げ公演時に掲げられた活動目標は「年1回の本公演、10年継続」でした。その言葉通り、精力的に公演活動を展開しています。2009年には、第3回公演『サボテニング』を発表。倉持裕を演出に迎え、水野美紀、福田転球、猫背椿らが出演しました。また、プロペラ犬と筋肉少女帯がコラボレートした『アウェーインザライフ』では、「エンゲキロック」をテーマに、赤坂BLITZとサンケイホールブリーゼで熱狂的なステージを繰り広げました。

主な舞台作品

旗揚げ公演「マイルドにしぬ」（2007年）
第2回公演「ジャージマン」（2008年）
第3回公演「サボテニング」（2009年）
番外公演「演劇ロックIN赤阪BLITZ プロペラ犬×筋肉少女帯 アウェーインザライフ」（2010年）
第4回公演「ネガヒーロー」（2012年）
第5回公演「やわらかいパン」（2013年）
プロペラ犬×時速246億 コラボ公演「ハッピーセット」（2014年）
第7回公演「珍渦虫（ちんうずむし）」（2016年）
* 第8回公演「僕だけが正常な世界」（2022年）

月イチイベント：プロペラ犬ひみつ集会

主宰の2人によるトークイベントも定期的に開催されています。演劇界を中心に様々なゲストを招き、お酒を飲みながらのざっくばらんなトークが繰り広げられます。楠野執筆、水野とゲストによる「初見リーディングドラマ」はこのイベントの恒例となっています。

多様なメディア展開

舞台公演の他にも、テレビ放送やDVDの発売、ラジオドラマの制作、書籍の出版など、多岐にわたるメディア展開を行っています。これらの活動を通して、プロペラ犬の世界観をより多くの人々に届けています。

ユニットの特徴

プロペラ犬の最大の特徴は、座付き作家である楠野と、女優である水野という二人の共同主宰である点です。出演者の交渉からスタッフ集め、劇場の手配まで、作品制作に関わる重要な部分を自らの手で行っています。公演に向けては、入念な本読みやミニキャンプを行い、キャスト・スタッフ間の連携を深めています。また、美術・宣伝美術を担当する快快（faifai）の存在も、プロペラ犬の作品世界を彩る上で欠かせません。

エピソード

2009年、水野が客演していたナイロン100℃の舞台で、ケラリーノ・サンドロヴィッチに「プロペラ犬より水野美紀」と紹介されるという一幕がありました。また、楠野はTwitterを始め、「アウェーインザライフ」公式のハッシュタグも作られました。水野もブログで舞台関連の情報を発信するなど、積極的に情報発信を行っています。

プロペラ犬は、既存の枠にとらわれず、自由な発想で演劇の可能性を追求し続ける、注目の演劇ユニットです。

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