プロポーショナルフォント

プロポーショナルフォントとは、文字によって字幅が異なるフォントのことです。日本語では可変幅フォントとも呼ばれます。

プロポーショナルフォントの起源

伝統的な活版印刷においては、文字の幅は文字ごとに異なっていました。例えば、ラテン[[文字]]の「i」と「w」では幅が異なります。これにより、文字を並べるだけで自然で読みやすい単語を印字することが可能でした。これがプロポーショナルフォントの原型です。

等幅フォント（モノスペースフォント）との対比

プロポーショナルフォントに対して、等幅フォントまたは固定幅フォントと呼ばれるものがあります。これは、初期のコンピュータが画面表示や印刷を行う際に、文字ごとの異なる幅を保持・反映する技術がなかったために、すべての文字を同じ幅で扱う必要があったためです。そのため、ラテン[[文字]]の「i」には余分な空白が加えられ、「w」と同じ幅になるように調整されていました。

技術の進歩とプロポーショナルフォントの普及

コンピュータ技術の進歩により、文字ごとに異なる幅を扱うことが容易になったため、プロポーショナルフォントが普及しました。これにより、より自然で美しい組版が可能になりました。

日本語フォントにおけるプロポーショナルフォント

日本語フォントの場合、日本語固有の文字（グリフ）が全角等幅ではなく、プロポーショナル幅を持つものをプロポーショナルフォントと呼びます。日本語固有のグリフが全角等幅で実装されている場合、他の文字がプロポーショナル幅であっても、プロポーショナルフォントとは呼ばれません。

等幅フォントが生み出した文化

等幅フォントのみが用いられた時代が長かったため、等幅フォントの特徴を生かした独自の文化が生まれました。空白文字による桁揃えやアスキーアート（AA）などがその例です。ただし、2ちゃんねる隆盛以降、日本語圏のAAに関しては、プロポーショナルフォントの「MS Pゴシック」を前提としているものも多く見られます。

等幅フォントで表示されることを前提として作成された文書をプロポーショナルフォントで表示すると、桁揃えが崩れるなど、著者の意図が伝わりにくくなる場合があります。

プロポーショナルフォントの高度な機能

高度なプロポーショナルフォントは、カーニング情報やイタリック補正量、合字情報なども保持しています。これにより、さらに美しい組版が可能になります。

プロポーショナルフォントの例

Times New Roman
Arial
游ゴシック
メイリオ

関連項目

DTP
等幅フォント

もう一度検索