等幅フォント

等幅フォント（とうはばフォント、とうふくフォント、英: monospaced font）とは、文字のグリフ（字形）の幅がすべて同じであるフォントのことです。これは、文字によって幅が異なるプロポーショナルフォントと対比される概念です。

等幅フォントの特徴

文字幅の均一性: 文字の種類に関わらず、すべての文字が同じ幅を持つため、文字数が同じであれば行の幅も同じになります。
視認性の高さ: 文字が整然と並ぶため、テキストの構造が把握しやすく、特に表組みやコード表示に適しています。
位置の特定: 行内で特定の文字数の位置が常に同じになるため、文字の配置を正確に行うことができます。
文字数制限の明確化: 固定幅の用紙に文字を打刻する際、入力できる文字数を容易に把握できます。

歴史と利用

初期の等幅フォントはタイプライターで使用されていました。タイプライターでは、構造上等幅フォントしか使用できませんでした。コンピューターの初期においても、画面表示や印刷には等幅フォントが広く用いられていました。その後、プロポーショナルフォントが登場しましたが、等幅フォントは現在でも様々な場面で利用されています。

例えば、コマンドプロンプトやターミナルといったキャラクタユーザインタフェース環境や、携帯電話のディスプレイなどでは、等幅フォントが用いられています。また、プログラミングのソースコードを表示する際にも、可読性を高めるために等幅フォントが一般的に使用されます。

コンピュータにおける利点

省メモリ: フォントデータの格納に必要なメモリ容量が少なくて済みます。
高速描画: 文字幅が一定であるため、描画処理を効率的に行えます。

ウェブにおける利用

HTMLやCSSでは、`

`タグや``タグ、CSSの`font-family: monospace;`といったスタイル指定により、等幅フォントを使用できます。これにより、ウェブページ上でもソースコードやテキストデータを整然と表示できます。



 フォントファイルの実装




TrueTypeやOpenType形式のフォントファイルでは、特定のフラグ（monospacedフラグ）を設定することで、等幅フォントとして認識されます。



 その他




   データ放送の文字表示にも等幅フォントが使用されています。

   TrueTypeフォントでは、「P」が付いたフォントがプロポーショナルフォント、「P」が付いていないフォントが等幅フォントとして区別されることがあります。

*   CIDフォントでは、同一フォント内にプロポーショナルな文字と等幅の文字が混在することがあります。



等幅フォントは、その均一性と視認性の高さから、現在でも重要な役割を果たしています。