プロレス四天王

プロレス四天王とは

プロレス四天王とは、かつて全日本プロレスに所属し、ジャイアント馬場の弟子として成長した三沢光晴、川田利明、小橋建太、田上明の4人を指します。彼らは時に「馬場の遺産」と呼ばれ、当時の全日本プロレスにおける重要な存在でした。後に秋山準を加えて五強と称されることもあり、彼らの影響は現在にまで及んでいます。

背景と成立過程

プロレス四天王の誕生は、1980年代後半に遡ります。この頃、ジャイアント馬場が第一線から退き、1990年には天龍源一郎らの退団もあって全日本プロレスは苦境に立たされました。そんな状況下で、彼ら4人は攻防の激しさを重視した試合スタイルを確立しました。

当初は外人レスラーであるジャンボ鶴田、スタン・ハンセンなどが主力でしたが、鶴田の療養によって日本人選手同士の対戦が主流になり、新たな時代が訪れました。また、アメリカでのプロレス興行の形態が変化し、日本においても日本人同士の対戦の必要性が高まったのです。

試合スタイルの変化

1993年にはスティーブ・ウィリアムスとの三冠挑戦者決定戦で小橋が危険なバックドロップを受けたことをきっかけに、攻防のスタイルが一変しました。このスタイルは30分を超える試合やカウント2.9での攻防、ハードヒットの打撃を特徴とし、従来のプロレスとは一線を画すものでした。

試合の内容も驚異的で、選手たちは意識を失いそうになるほどの技を受けても立ち上がり、相手に一撃をお見舞いする姿が見られました。そのため、観客は全日本プロレスの試合に熱狂的に惹きつけられ、ビッグマッチは常に超満員の観客で埋まりました。この時期、全日本プロレスは最も繁栄していたと言われています。

評価と影響

四天王プロレスのスタイルはますます影響力を増し、ルー・テーズによってタフマンコンテストと称されることもありました。最も混沌とした状況では批判の声も上がりましたが、それでも技術の高い選手たちであったため、彼らの試合はエンターテインメントとしての価値を持っていました。

川田、田上、小橋は常に三沢をライバル視し、特に三沢は他の3人に対してシングル戦では一度もフォール負けを喫することがありませんでした。これが彼らのプロレス界における地位をさらに確立させる要因となったのです。

現在の姿

時が経つにつれ、三沢は2009年に試合中の事故で亡くなり、小橋も長期の怪我を経て2013年に引退しました。川田は現在も引退を表明していないものの、長期間活動を休止しています。また、田上はノアの社長として新たな道を歩んでいます。

現在、プロレス四天王はその名の通り、一時代を築き上げた伝説の存在となりました。彼らのスタイルは今なお多くのレスラーに影響を与え、新たなプロレスの潮流へと繋がっています。特に三沢の教えや馬場の「王道プロレス」の理念は、引き続きレスラーたちによって受け継がれています。

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