プロレスWリーグ血ぬられた王者とは？意味をやさしく解説

プロレスWリーグ血ぬられた王者

1968年 6月15日に公開された、日本のドキュメンタリー映画です。東映東京撮影所が製作し、東映が配給を担当しました。カラー作品ではなく、白黒で制作されています。

内容

本作は、日本のプロレス界を牽引した力道山が1959年から開催していたプロレスの祭典「ワールドリーグ戦」に焦点を当てています。特に、公開当時の1968年に行われた第10回大会を中心に構成されており、ジャイアント馬場対キラー・コワルスキー戦が重要な要素として描かれています。

物語は単に最新の大会だけでなく、シリーズ初期における力道山の活躍や、豊登、吉村道明といった往年の名レスラーたちの激闘にも触れています。そして、読売巨人軍の投手からプロレスラーに転身し、時代のスターへと駆け上がったジャイアント馬場の知られざる一面や、ワールドチャンピオンに至るまでの道のりを追いかけることで、その人間的な魅力にも迫っています。プロレスというエンターテインメントの裏側や、選手たちの情熱を記録した作品と言えるでしょう。

製作背景

本作は、野田幸男監督にとっての劇場映画監督デビュー作にあたります。しかし、作品のドキュメンタリー性を強調するため、封切り時のポスターには監督名が敢えて明記されませんでした。

東映で一年後輩にあたる映画監督の内藤誠は、自身のデビュー作の経験を踏まえ、本作が会社の方針として野田監督の力量を試す「小手調べ」として位置づけられていた可能性を推測しています。

また、本作の製作は、同時期に公開された東映の超大作『荒野の渡世人』（主演：高倉健、監督：佐藤純彌）の併映作品として、急遽決定されたという経緯があります。当初、『荒野の渡世人』との組み合わせとしては、梅宮辰夫主演の別の作品が予定されていました。しかし、『荒野の渡世人』が日本の精神性を強調した内容であったため、外国人レスラーを打ち破るジャイアント馬場の活躍を記録した本作の方が、テーマ的に相応しいと判断され、急遽製作・差し替えが行われたのです。

製作にあたってのコンセプトは、プロレスのワールドリーグが10周年を迎えたことを記念しつつ、ジャイアント馬場が元プロ野球選手からプロレスラーへと転身し、ワールドチャンピオンとなるまでの軌跡をドラマチックに描き出すこと、そしてワールドリーグという大会の歴史と発展を記録することに置かれました。

スタッフ・キャスト

本作の主なスタッフとキャストは以下の通りです。

スタッフ

監督：野田幸男
監修：日本プロレス
企画：秋田亨
撮影：橋武
録音：加瀬寿士

キャスト

力道山
ジャイアント馬場
豊登
吉村道明

当時の日本プロレスを代表するスターたちが、貴重な映像資料として登場しています。

同時上映

前述の製作経緯の通り、本作は以下の作品と同時上映されました。

荒野の渡世人
主演：高倉健
監督：佐藤純彌

プロレスWリーグ 血ぬられた王者