プロヴァンス (駆逐艦)

フランス海軍駆逐艦 プロヴァンス

フランス海軍の「プロヴァンス」(Provence)は、アキテーヌ級駆逐艦の3番艦です。アキテーヌ級は、イタリアとの共同開発によるFREMM計画の一環として建造されました。FREMM計画は、既存のフリゲートを更新する野心的な計画としてスタートしましたが、予算の都合から当初計画より艦艇数は減少しました。

開発と設計

FREMM計画は、当初17隻の建造を予定しており、既存の通報艦や対潜フリゲートの後継として位置づけられていました。しかし、財政上の理由から計画は縮小され、最終的には11隻の建造となりました。そのうち、プロヴァンスを含む6隻が対潜戦能力を重視したASW派生型として建造されました。

計画変更の過程で、防空能力を強化したFREDA派生型の開発も検討されました。この派生型は、最終的に2隻建造される予定でしたが、計画縮小により実現しませんでした。

コスト面でも計画変更の影響は大きく、建造費用の削減が課題となりました。当初の予算を大幅に下回る予算で、各艦の建造が進められました。

建造と艦歴

プロヴァンスは、2010年に建造が開始され、2015年に就役しました。就役後は、インド洋北部での活動や、アメリカ海軍の空母打撃群への参加など、精力的に活動しています。

特に、2015年末には、フランス海軍空母シャルル・ド・ゴールの空母打撃群に合流し、ホルムズ海峡を通過しました。この際、プロヴァンス搭載のNFH90ヘリコプターが、アメリカ海軍の空母への着艦能力を実証しました。

2016年には、ソマリア沖で武器押収作戦に参加するなど、対テロ作戦にも貢献しています。近年も、地中海やアドリア海での演習に参加するなど、多国間連携を重視した活動が継続されています。2023年には、インド海軍との合同演習「ヴァルナ2023」にも参加し、国際協力の強化に貢献しました。

プロヴァンスの役割

プロヴァンスは、対潜戦能力を備えた多用途駆逐艦として、広範な任務を遂行しています。これは、多様な脅威に対応できる高い柔軟性を備えていることを示しています。また、多国間演習への積極的な参加は、フランス海軍が国際社会で果たす役割の重要性を示すものです。

まとめ

プロヴァンスは、FREMM計画の縮小という厳しい状況の中でも、その高い能力を発揮し続けている艦艇です。最新の技術と高い運用能力を備えたプロヴァンスは、フランス海軍の主力艦として、今後も重要な役割を担っていくでしょう。その活動は、フランス海軍の技術力と国際協調への姿勢を示す、重要な指標となっています。今後、プロヴァンスがどのような任務を遂行し、どのような実績を残していくのか、注目すべきでしょう。

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