プーシキン美術館

プーシキン美術館

プーシキン美術館は、ロシアのモスクワに位置する国立の美術館であり、その正式名称は「国立A.S.プーシキン造形美術館」です。この美術館は、モスクワの救世主ハリストス大聖堂の北にあり、ヴォルホンカ通りを挟んで対面しています。プーシキン美術館は、約10万点に及ぶ収蔵品を持ち、世界中の美術館の中でもエルミタージュ[[美術館]]に続いて第2位の収蔵品数を誇っています。

美術館の構成

プーシキン美術館は、本館のほか、19世紀から20世紀のヨーロッパ・アメリカ美術を展示する別館や、青少年を対象とした芸術教育センターを含む複数の施設から構成されています。本館では、古代エジプトから19世紀初頭のフランスの美術まで、幅広いジャンルの作品が展示されています。一方で、別館ではフランスを中心とした印象派及びポスト印象派の絵画が並んでいます。

設立の歴史

美術館の設立は、モスクワ大学芸術学部の学部長であったイワン・ウラジーミロヴィッチ・ツヴェターエフ教授の提案から始まりました。彼はモスクワに公共の美術館を設立する必要があると考え、著名な大富豪や建築家と協力しました。アレクサンドル3世の支援も得て、美術館建設のコンペが実施され、結果として新古典主義の設計が採用されました。1898年に基礎が定められ、1912年にアレクサンドル3世芸術博物館として開館されました。

収蔵品の発展

ロシア革命後、美術館は名称を変更し、1937年にアレクサンドル・プーシキンの名を冠することになりました。ソビエト政権はエルミタージュ[[美術館]]から所蔵品を移転し、プーシキン美術館はそのコレクションの中核を形成しました。1948年には名高い絵画コレクションが追加され、特に印象派とポスト印象派の作品が充実しました。

プーシキン美術館のコレクションには、フィンセント・ファン・ゴッホやポール・ゴーギャンの作品などが含まれ、バロック、ロココ、新古典主義、印象派、ポスト印象派など多様な時代の作品が所蔵されています。また、ビザンチンのアイコンや古代エジプト、メソポタミア、ペルシアの考古学的資料も豊富に展示されています。

代表的な絵画

美術館に収蔵されている著名な絵画には、レンブラントの「エステルの饗宴におけるアハシュエロス王とハマン」、フランソワ・ブーシェの「ユピテルとカリスト」、ルノワールの「女優ジャンヌ・サマリーの肖像」、クロード・モネの「白い睡蓮」や「陽だまりのライラック」、ピカソの「アルルカンと女友達」があります。

国際的な交流

プーシキン美術館は、日本でも注目されています。1996年には「モスクワ プーシキン美術館名作展」が行われ、各地で好評を博しました。また、2013年には「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」が開催され、たくさんの来場者を迎えました。芸術と文化を通じた国際的な交流の場となっている美術館です。

特徴と魅力

プーシキン美術館は、その緻密に構成されたコレクションだけでなく、芸術教育にも力を入れています。毎年開催される音楽祭「12月の夕べ」は、室内楽を中心にしたイベントとして多くの人々に親しまれています。今後もプーシキン美術館は、芸術の魅力を広める場として、多くの来場者に迎え入れられることでしょう。

もう一度検索