ヘクター・ロンドン

ヘクター・ルイス・ロンドン：ベネズエラの剛腕、波瀾万丈のキャリア

ヘクター・ルイス・ロンドン（Héctor Luis Rondón, 1988年2月26日 - ）は、ベネズエラのミランダ州グアティレ出身の元プロ野球選手。右投右打の投手として、メジャーリーグで活躍しました。愛称は「ロンディ（Rondi）」。

プロ入りと苦難の時代

2006年、ロンドンはアマチュア・フリーエージェントとしてクリーブランド・インディアンスと契約し、プロの道を歩み始めます。しかし、順風満帆とはいかず、2010年にはトミー・ジョン手術を受けるという試練に見舞われます。

カブスでの躍進

2012年オフ、ルール・ファイブ・ドラフトでシカゴ・カブスに指名され、新たなスタートを切ります。2013年4月3日のパイレーツ戦でメジャーデビューを果たし、ルーキーながら45試合に登板。しかし、防御率4.77と苦戦しました。

2014年、ロンドンはクローザーとして開花します。64試合に登板し、4勝4敗29セーブ、防御率2.42という素晴らしい成績を収め、クローザーの役割を見事に果たしました。

2015年もクローザーを任されますが、シーズン序盤にセーブ失敗が重なり、一時リリーフに配置転換。球場のトイレに閉じ込められるというアクシデントにも見舞われました。しかし、最終的には72試合に登板し、6勝4敗30セーブ、防御率1.72という驚異的な成績を残し、その実力を証明しました。

2016年、アロルディス・チャップマンの加入によりセットアッパーに配置転換されます。54試合に登板し、2勝3敗18セーブ、防御率3.53という成績でした。防御率は上昇したものの、与四球率が低下し、奪三振率が向上。K/BBは7.25という高い数値を記録しました。

2017年は、WBCベネズエラ代表に選出。しかし、レギュラーシーズンでは与四球率が悪化し、防御率も4.24と2年連続で悪化。オフにノンテンダーFAとなります。

アストロズ、ダイヤモンドバックス時代

2017年12月15日、ヒューストン・アストロズと2年850万ドルで契約。2019年オフにFAとなります。2020年1月8日には、アリゾナ・ダイヤモンドバックスと1年250万ドルで合意しますが、球団が延長オプションを放棄し、再びFAとなりました。

引退

2021年2月2日、フィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結びますが、3月25日に自由契約となります。その後、ボストン・レッドソックスとマイナー契約を結びますが、4月27日に現役引退を発表しました。

WBCベネズエラ代表

2017年のWBCではベネズエラ代表としてプレーしました。

ヘクター・ルイス・ロンドンは、その剛腕で多くのファンを魅了しました。クローザーとしての活躍、WBCでの代表経験など、記憶に残るプレーを見せてくれました。彼の野球人生は、決して平坦な道ではありませんでしたが、数々の困難を乗り越え、メジャーリーグで確かな足跡を残しました。

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