ヘスス・アルー

ヘスス・マリア・ロハス・アルーは、1942年3月24日にドミニカ共和国サン・クリストバル州で生まれ、2023年3月10日に80歳で亡くなった元プロ野球選手です。右投右打の外野手として活躍しました。

1958年にサンフランシスコ・ジャイアンツと契約し、プロとしてのキャリアをスタートさせました。1963年9月10日にメジャーデビューを果たすと、そのわずか5日後には、当時の監督アルヴィン・ダークの采配により、既にレギュラーとして活躍していた2人の兄、フェリペとマティと共に、兄弟3人で外野を守るという、珍しい場面が実現しました。この時、スター選手であったウィリー・メイズがベンチに退いています。しかし、フェリペが1964年にミルウォーキー・ブレーブスへ移籍したため、三兄弟がチームメイトとして過ごしたのは短い期間でした。1964年、ヘススはフェリペの後を継ぎ、ジャイアンツの正右翼手として活躍しました。

その後、ヒューストン・アストロズへ移籍し、1970年には自己最高の打率.306を記録しました。オークランド・アスレチックス在籍時には、2年連続でワールドシリーズ優勝を経験するなど、チームの勝利に貢献しました。

引退後は、モントリオール・エクスポズのスカウトとして活動し、その後フロリダ・マーリンズのドミニカ共和国担当取締役に就任しました。2002年以降は、ボストン・レッドソックスで同様の業務を担当し、ドミニカ共和国における野球選手の育成に尽力しました。2008年9月23日には、ミニッツメイド・パークでの試合前セレモニーにおいて、ヒスパニック遺産野球博物館の先駆者賞を受賞し、殿堂入りを果たしました。

ヘススのプレースタイルは、三振が少ないことが特徴でした。1965年には543打数で40三振という記録を残しています。一方で、四球を選ぶことも少なく、20四球以上を記録したシーズンは、1970年の21個のみでした。

アルー家は、野球一家として知られています。長兄のフェリペ・アルーは、メジャーリーグで17年間外野手としてプレーした後、MLB史上初のドミニカ共和国出身の監督となり、通算1033勝を挙げています。次兄のマティ・アルーもメジャーリーガーとして活躍し、通算1777安打を記録しました。甥のモイゼス・アルーも元メジャーリーガー（外野手）であり、同じく甥のルイス・ロハスも元プロ野球選手で、後に監督となっています。モイゼスの従兄弟には元メジャーリーガー（投手）のメル・ロハスがおり、その息子にもプロ野球選手（外野手）のメル・ロハス・ジュニアがいます。

ヘスス・アルーは、選手としてだけでなく、スカウトとしてもドミニカ共和国の野球界に大きく貢献しました。彼の功績は、ヒスパニック遺産野球博物館への殿堂入りという形で称えられています。

背番号
14（1963年 - 1968年）
22（1969年 - 1974年、1978年 - 1979年）
23（1975年）

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