ヘスス・モンテロ

ヘスス・モンテロ：栄光と挫折を味わったベネズエラ出身のプロ野球選手

ヘスス・アレハンドロ・モンテロ・ロペス（Jesús Alejandro Montero Lopez）は、1989年11月28日、ベネズエラ・カラボボ州グアカラで生まれました。右投右打の一塁手、捕手として、その野球人生を歩みました。

ヤンキースでの輝かしいプロ入り

2006年7月2日、モンテロはニューヨーク・ヤンキースと160万ドルという高額な契約金でプロ契約を結びました。当時、海外FA選手の中で最高の打者と評され、特にそのパワーは際立っていました。

2007年にガルフ・コーストリーグ・ヤンキースでプロデビューを飾ると、翌2008年にはメジャーのスプリングトレーニングに招待され、オープン戦で本塁打を放ちました。A級チャールストン・リバードッグスでは、打率.326、17本塁打、87打点という素晴らしい成績を残しました。

2009年にはA+級タンパ・ヤンキースからAA級トレントン・サンダーに昇格し、イースタンリーグのオールスターチームにも選出されました。「ベースボール・アメリカ」誌の有望株ランキングでは、球団内で2位の評価を受け、オールスター・フューチャーズゲームにも2年連続で選ばれました。しかし、8月に指を骨折し、シーズンを早めに終えることとなりました。

2010年には、「ベースボール・アメリカ」誌の有望株ランキングで球団内1位、マイナー全体でも5位という高い評価を受けました。ヤンキースのケビン・ロング打撃コーチは、モンテロの打撃力はメジャーでも通用すると評価しましたが、球団は守備力の改善を求めました。この年、モンテロはAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・ヤンキースで1年間プレーし、インターナショナルリーグのオールスター、ポストシーズンのオールスター、チームの最優秀選手に選ばれました。

2011年のスプリングトレーニングでは、25人ロースター入りを争いましたが、ラッセル・マーティンの加入により、モンテロは再びAAA級スクラントンでシーズンを迎えることとなりました。しかし、9月1日にメジャー初昇格を果たし、ボストン・レッドソックス戦でメジャーデビュー。9月5日のボルチモア・オリオールズ戦では、1試合2本塁打を記録するなど、18試合で打率.328、4本塁打、12打点という好成績を残しました。

マリナーズへの移籍と苦難

2012年1月13日、モンテロはマイケル・ピネダ、ビセンテ・カンポスとのトレードで、ヘクター・ノエシと共にシアトル・マリナーズへ移籍しました。しかし、本拠地のセーフコ・フィールドは右打者にとって不利な球場であり、モンテロは苦戦を強いられました。それでも、ビジター球場では好成績を残し、最終的にはチームトップの打率.260でシーズンを終えました。

2013年2月6日には、バイオジェネシス・スキャンダルに関与した疑いが浮上し、8月5日に50試合の出場停止処分を受けました。2014年はメジャーでの出場機会が限られ、6試合の出場に留まりました。

2015年からは内野手登録に変更され、38試合に出場。打率.223と低迷しましたが、25安打中11本が長打で、19打点を記録しました。一塁の守備では、堅実さを見せました。

2016年3月27日に戦力外通告を受け、トロント・ブルージェイズへ移籍しましたが、メジャーでの出場機会を得られず、オフにFAとなりました。

その後

2017年1月16日にボルチモア・オリオールズとマイナー契約を結びましたが、6月27日に自由契約となりました。その後、メキシカンリーグでプレーしましたが、2018年以降は目立った活動はありません。

ヘスス・モンテロは、その才能と期待に応えきれなかったものの、メジャーリーグで一時期輝きを放った選手として、記憶されることでしょう。

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