ヘネシー・ヴェノムGT

ヘネシー・ヴェノムGT：驚異の加速と最高速度を誇る限定スーパーカー

ヘネシー・ヴェノムGTは、アメリカを拠点とするチューニングメーカー、ヘネシーパフォーマンスが開発した、まさに究極のスーパーカーと言える一台です。その圧倒的な性能と希少性から、世界中の自動車愛好家を魅了し続けています。

ロータス・エキシージをベースにした軽量かつ高性能なボディ

ヴェノムGTのベース車両は、ロータス・エキシージです。しかし、それは単なるベース車両に留まりません。ヘネシーパフォーマンスはエキシージを徹底的に改良し、軽量かつ高剛性のボディを作り上げました。カーボンファイバーを多用したボディは、車両重量をわずか1244kgに抑え、優れた運動性能を実現しています。さらに、ブレンボ製の高性能ブレーキシステムや、空力性能を高めるフロントスポイラーと可変式リアウィングなどの空力パーツも装備されています。

強大なパワーを誇るツインターボV8エンジン

ヴェノムGTの心臓部は、GM製のLSX 7.0リッターV8エンジンをベースに開発されたツインターボエンジンです。発表当初は最高出力1200hpでしたが、後にオープンカー仕様であるヴェノムGTスパイダーの開発に伴い、重量増加を考慮して1244hpまで向上されました。この強力なエンジンは、800hp、1000hp、1244hpの3段階で出力調整が可能なほか、トラクションコントロールも搭載しています。トランスミッションは、信頼性の高いリカルド製6速マニュアルトランスミッションが採用されています。サスペンションは車高調整式で、最大6cmの車高調整が可能です。

世界記録達成とギネス認定

ヴェノムGTは、その驚異的な性能を世界に示すべく、幾度となく記録に挑戦しました。2013年1月には、ギネスワールドレコーズの認定員立ち会いのもと、静止状態から300km/hまでの加速時間を計測。その結果、平均13.63秒という驚異的な記録を樹立し、2シーター量産車の世界最速としてギネス世界記録に認定されました。さらに、0-200mph(約322km/h)加速でもケーニグセグ・アゲーラの記録を更新しています。

同年2月には、最高速度427.6km/hを記録。そして2014年2月には、NASAケネディ宇宙センターの着陸路で、最高速度435.31km/hを記録しました。しかし、この記録は片方向のみの走行だったことや、ギネスの新たな定義を満たしていなかったため、公式記録としては認められませんでした。それでも、その圧倒的な最高速度は、ヴェノムGTの性能の高さを改めて証明するものです。

ヴェノムGTスパイダーと限定モデル

ヴェノムGTには、オープンエアを楽しめるスパイダーモデルも存在します。これはエアロスミスのボーカリスト、スティーブン・タイラーの要望によって開発が決定されたもので、2013年には5台の生産が予定されていました。

また、世界記録達成を記念した「ヴェノムGT ワールドファステストエディション」も3台限定で生産されています。このモデルは、アメリカ国旗をモチーフとしたボディカラーが特徴です。

生産と販売

ヴェノムGTは、イギリスのノーサンプトンシャーシルバーストンの工場で生産、テストが行われています。エンジンはテキサス州シーリーの工場で作られ、イギリスへ空輸されます。購入者には、ヘネシーのテストドライバーによる1日間の講習が提供され、イギリスまたはアメリカのサーキットで受講できます。年間生産台数は10台に限定されており、合計29台の限定生産が予定されています。販売網は、ヨーロッパ、中東、ロシア、アジア、オーストラリアなどに広がる計画です。

まとめ

ヘネシー・ヴェノムGTは、その圧倒的なパワー、軽量かつ高性能なボディ、そして希少性から、まさに究極のスーパーカーと言えるでしょう。世界記録に挑み、その性能を証明したヴェノムGTは、自動車史に名を刻む一台として、これからも多くの自動車愛好家から注目を集め続けることでしょう。

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