ヘラー (企業)

ヘラー（HELLA GmbH & Co. KGaA）

ヘラーは、ドイツのリップシュタットに本拠を置く、世界的な自動車部品メーカーです。日本法人はヘラージャパン株式会社として、日本国内でも事業を展開しています。

概要

1899年にサリー・ウィンドミュラーによって「Westfälische Metall-Industrie Aktien-Gesellschaft（ヴェストファーレン金属工業株式会社、WMI）」として設立されました。創業当初は、自動車や馬車用のアセチレンヘッドランプ、ホーンなどを製造・販売していました。1936年からは、KdFワーゲン（後のフォルクスワーゲン・ビートル）向けにヘッドライトの供給を開始し、自動車産業の発展と共に成長を遂げました。

「HELLA」という名称は、1908年からヘッドランプの商標として使用され始め、1986年に正式な社名として採用されました。名前の由来は定かではありませんが、創業者サリー・ウィンドミュラーの妻ヘレンのニックネームに敬意を表して名付けられたという説が有力です。

2023年7月現在、ヘラーは世界35か国に125の拠点を持ち、グローバルな事業展開を行っています。2022年のグループ売上高は44億ユーロに達し、その内訳はライティング事業が48%、エレクトロニクス事業が39%、ライフサイクル事業が13%となっています。

2021年には、フランスの自動車部品メーカーであるフォルシアに買収され、現在は新グループ「フォルビア（Forvia）」の一員となりました。フォルビアグループ全体では、世界第7位の自動車部品サプライヤーとしての地位を確立しています。

製品

ヘラーは、以下の3つの事業部門を中心に、幅広い製品を提供しています。

ライティング: 創業以来の主力事業であり、ヘッドライト、リヤライト、車内照明などのライト本体に加え、アダプティブ・フロントライティング・システムやマトリックスLEDヘッドライトシステムなどの高度なライティングシステムを手掛けています。2001年からはスタンレー電気とパートナーシップを結び、2002年には両社の対等出資による合弁会社Hella-Stanley Holding Pty Ltd（HESA）がメルボルンに設立されました。2017年には、アウディ・A8向けにデジタルマトリックスLEDヘッドライト、OLEDリヤコンビネーションライト、車内照明を含む革新的な照明システムを提供しました。
エレクトロニクス: 1965年から車載用エレクトロニクスの販売を開始し、現在ではセンサー、レーダー、DC/DCコンバーター、冷却水バルブアクチュエータ、ターボ用アクチュエータなど、多岐にわたる製品を提供しています。2017年からはZF・NVIDIAと提携し、自動運転システムの開発を推進しています。また、電動化の進展を見据え、EV向けのサーマルマネジメント製品の開発にも注力しており、2022年にはバルブ、電動ポンプ、リザーバータンク、センサーなどを一体化したサーマルマネジメントシステムを開発し、自動車メーカーからの受注を獲得しました。
ライフサイクルソリューション: アフターマーケットおよび自動車工場向けに、自動車用ランプ、ホーン、ワイパーブレードなどを提供しています。また、緊急車両や建設機械などの特殊車両向けに、回転灯などの製品も製造・販売しています。

沿革

1899年 - リップシュタットに「ヴェストファーレン金属工業株式会社」を設立
1936年 - KdFワーゲン用ヘッドライトの供給を開始
1961年 - 初の海外拠点を設立
1965年 - 初のエレクトロニクス製品の販売を開始
1984年 - 年間売上高が100万ドイツマルクを初めて突破
1986年 - 社名を「HELLA KG Huck & Co.」に変更
1990年 - 全世界の従業員数が2万人を突破
2006年 - ヘラージャパン株式会社を設立
2008年 - フルLEDヘッドランプの販売を開始
2013年 - アウディ・A8向けに世界初のマトリックスLEDヘッドライトの販売を開始
2014年 - フランクフルト証券取引所に上場
2017年 - ダイムラー・サプライヤー賞を受賞
2022年 - フォルシアによる買収が完了し、フォルビアグループ傘下となる

外部リンク

HELLA.com (英語/ドイツ語)
ヘラージャパン

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