ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団

ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団は、フィンランド語でHelsingin kaupunginorkesteri、英語ではHelsinki Philharmonic Orchestraとして知られ、フィンランドの首都ヘルシンキに本拠地を置く、国内を代表するオーケストラの一つです。

この楽団は、1882年にロベルト・カヤヌスによって設立されました。創立当初は「ヘルシンキ・オーケストラ協会」という名称で、2人の有力な実業家による支援を受けて発足しています。これは、現在も活動を続ける北欧諸国のオーケストラとしては最も古い歴史を持つ楽団の一つであることを意味します。

楽団は創立当初から活動の質を高める努力を続け、1885年にはオーケストラの水準向上を目指してオーケストラ学校を設立しました（この学校は1914年まで運営されました）。また、1886年には合唱団を併設するなど、活動の幅を広げていきました。

名称はその後変更され、1895年には「ヘルシンキ・フィルハーモニック協会」となりました。楽団の活動は国内にとどまらず、1900年のパリ万国博覧会での公演を皮切りに国外公演を開始し、国際的な知名度を着実に高めていきました。

1914年には、ヘルシンキ市から助成金を受けられるようになったことで運営基盤が安定しました。この年、競合関係にあったヘルシンキ交響楽団と合併し、現在の名称であるヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団として新たな一歩を踏み出しました。また、この合併以降も、楽団は1962年までフィンランド国立オペラのオーケストラとしても活動を担っていました。

本拠地ホールに関しては変遷があります。1972年に著名な建築家アルヴァ・アアルトが設計したフィンランディア・タロが完成すると、そこが主要な活動拠点となりました。その後、2011年には新しい音楽施設であるムジーッキ・タロ（ヘルシンキ音楽センター）が完成し、現在はこちらを主な本拠地として演奏活動を行っています。

ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団は、フィンランドが誇る作曲家ジャン・シベリウスとの関わりが深く、彼の交響曲第1番から第6番までの初演を務めたことで知られています。これは、楽団がフィンランド音楽史において果たした重要な役割を示しています。

歴代の首席指揮者は以下の通りです。

ロベルト・カヤヌス（1882年 - 1932年）
イェオリ・シュネーヴォイクト（1932年 - 1940年）
アルマス・ヤルネフェルト（1942年 - 1943年）
マルッティ・シミラ（1945年 - 1951年）
タウノ・ハンニカイネン（1951年 - 1963年）
ヨルマ・パヌラ（1965年 - 1972年）
パーヴォ・ベルグルンド（1975年 - 1979年）
ウルフ・セーデルブルム（1978年 - 1979年）
オッコ・カム（1981年 - 1989年）
セルジウ・コミッシオーナ（1990年 - 1994年）
レイフ・セーゲルスタム（1996年 - 2008年）
ヨン・ストルゴールズ（2008年 - 2015年）
スサンナ・メルッキ（2016年 - 2023年）
ユッカ＝ペッカ・サラステ（2023年 - ）

もう一度検索