ヘル・ノー

ヘル・ノー (Team Hell No)

ヘル・ノーは、WWEにおいて、悪魔のような存在であるケインと、熱狂的な"No!"チャントで知られるダニエル・ブライアンという、対照的な2人によって結成されたタッグチームです。元々は敵対関係にあった彼らが、いかにしてチームとして結束し、成功を収めたのか、その軌跡を辿ります。

チーム結成の背景

2012年、ダニエル・ブライアンは、WWE王座を巡り、CMパンクとの激しい抗争を繰り広げていました。一方、ケインもまた、ブライアンとの間で因縁を深めていました。そんな中、RAWのGMであったAJ・リーは、2人の問題を解決するため、アンガーマネジメントクラスへの参加を命じます。このセラピーが、2人の関係に変化をもたらすことになります。

アンガーマネジメントとタッグ結成

セラピーの中で、ブライアンとケインは互いの問題点や感情をぶつけ合い、衝突を繰り返します。しかし、セラピストであるDr.シェルビーの指導の下、彼らは徐々に歩み寄り、お互いを理解し始めます。そして、AJ・リーは、2人にタッグチームとして活動することを命じました。

当初、ブライアンとケインは反発し合っていましたが、タッグチーム王座挑戦権をかけてプライムタイム・プレイヤーズと対戦することになります。連携が全く取れないながらも、彼らは勝利し、王座挑戦権を獲得します。そして、ナイト・オブ・チャンピオンズにおいて、王者であるコフィ・キングストン＆Rトゥルースを破り、見事タッグチーム王者に輝きました。

タッグ王者としての活躍

王座戴冠後、ブライアンとケインは、ローデス・スカラーズなどの強豪チームを相手に防衛戦を繰り広げます。彼らは、互いの個性を活かしつつ、徐々に連携を深め、チームとしての力を高めていきました。また、彼らのコミカルなやり取りや、"Yes!"と"No!"の掛け合いは、観客を大いに沸かせました。

しかし、ロイヤルランブルやエリミネーション・チェンバーなどでは、ブライアンがケインを裏切るような場面も見られ、チーム内に不協和音が生じることがありました。それでも、彼らは大きな仲たがいをすることなく、レッスルマニアでの防衛戦を成功させました。

タッグ王座崩壊とチーム解散

2013年、ヘル・ノーは、ザ・シールドとの抗争に巻き込まれます。アンダーテイカーをも巻き込んだ激しい戦いの末、エクストリーム・ルールズでセス・ロリンズ＆ロマン・レインズに敗れ、タッグ王座を失います。その後、ブライアンはランディ・オートンとのタッグを結成し、王座奪還を目指しますが失敗。これを機に、ヘル・ノーは自然消滅のような形で解散しました。

一夜限りの再結成、そして...

2018年、SmackDown Liveにおいて、ダニエル・ブライアンが試合中に襲撃を受けた際、ケインが救出に現れ、2人は抱擁を交わしました。GMのペイジは、この日限りとなるチーム・ヘル・ノーの再結成を発表。Extreme Rules 2018でWWEスマックダウンタッグ王座を保持するブラジオン・ブラザーズとの王座戦に挑むことになりました。

しかし、試合前にケインが襲撃を受け、ブライアンは1人で試合に挑むことになります。苦戦を強いられる中、ケインが駆けつけますが、怪我の影響で試合を覆すことができず、ヘル・ノーは敗北。再結成は、残念ながら勝利で飾ることはできませんでした。

入場曲

ダニエル・ブライアン：Fight of the Valkyries
ケイン：Veil Of Fire

2人はそれぞれ個別に入場することが多いですが、そろって入場する場合はケインの曲が使用されるのが一般的です。

獲得タイトル

* WWEタッグ王座：1回

ヘル・ノーは、そのユニークなキャラクターとストーリー展開で、多くのファンを魅了しました。彼らの活躍は、WWEの歴史において、特筆すべきものとして記憶されています。

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