ヘンリー (きかんしゃトーマス)

ヘンリー（Henry the Green Engine）

ヘンリーは、イギリスの幼児向け絵本『汽車のえほん』およびその映像化作品『きかんしゃトーマス』に登場する大型のテンダー式蒸気機関車です。彼は特徴的な黄緑色の車体を持ち、車体番号は3です。一人称は「僕」、二人称は主に「君」ですが、一部のエピソードでは仲間のトーマスやジェームスに「お前」と呼びかけることもあります。テレビシリーズでは第1期から21期までレギュラーキャラクターとして登場し、22期以降は準レギュラーとなっています。

性格

最初の数期では、ヘンリーは仲間のゴードンやジェームスと同様に、非常に傲慢でわがままな性格を持つキャラクターとして描かれています。しかし、シリーズの進行とともに、彼の性格は変わり、特に第8期から第24期では森や動物を愛する優しい一面が強調されています。彼が好きな木には、森の外れにある「願いの叶う木」と、ロッホ城近くの高い松の木があります。

近年の作品では、ヘンリーは気弱で繊細な部分や臆病な性格も見せています。過去には、車体が汚れるのを極端に嫌い、雨の日にはトンネルから出ることを拒んでトラブルを引き起こしたこともありました。その後、彼はトンネルに逃げ込むのではなく、整備員に掃除をしてもらう方法を選ぶようになりました。また、彼は複数台の炭水車を牽引することに憧れており、一度、ダックに騙されて廃車状態の炭水車を6台牽引した経験もあります。テレビシリーズの第8期以降、特にCG化された後は何事にも心配性な性格が描かれ、時には病気にかかることを気にする場面も見受けられます。

運用

ヘンリーは通常、ノース・ウェスタン鉄道本線での貨物列車を主に運行していますが、時には旅客列車の牽引も行います。かつては乗客からの不満が出るほど、客車の牽引技術が低下していたこともありましたが、それが取り上げられたのは特定のエピソードのみに限られ、その後のシリーズではその設定は省かれました。『甘い蜜』と称されるエピソードでは、彼の優しさが評価されました。また、原作においては、臨時の貨物列車「フライング・キッパー」の牽引を担当するエピソードもいくつか存在し、最近のシリーズでは定期的な貨物列車の運行が主な仕事となっています。

モデル

ヘンリーのモデルについて、原作の作者ウィルバート・オードリーはアトランティック形のテンダー機関車として描いていましたが、初期の插画家たちは異なる配置で描くことがありました。このため、ヘンリーの姿は一貫性に欠け、特にダルビーの描くヘンリーはしばしば異なる配置で描かれてしまいました。最終的には、物語の中でヘンリーの車体が元の緑色に戻されるという展開を経て、ゴードンとは特徴を明確にすることができました。

原作での設定

原作において、ヘンリーは1919年にドンカスター工場で製造されましたが、設計段階で破棄された設計図を用いていたため、いくつかの欠陥がありました。それでも、彼は1922年にトップハム・ハット卿によって購入され、質の良いウェールズ炭が特別に支給されていました。脱線事故後、彼は改造されて出力が向上し、より良い運用が可能になりました。

TV版での扱い

『汽車のえほん』ではヘンリーが初期から登場し、TV版でもレギュラーキャラクターとして扱われてきました。しかし、第22期以降はジェンダーバランスの理由から、新たな女性機関車がレギュラー入りすることで準レギュラーキャラクターに位置づけられています。

まとめ

ヘンリーはそのユニークな性格と魅力から、多くのファンに愛され続けているキャラクターです。彼の成長や変化は物語の中で魅力的な要素となっており、これからも色々なエピソードで新たな一面が見られるでしょう。

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