ヘンリーザナビゲーター

ヘンリーザナヴィゲーター：輝ける航海王子の系譜

ヘンリーザナヴィゲーターは、アイルランドを代表する競走馬の一頭として、その名を歴史に刻みました。クールモアグループ所有、エイダン・オブライエン調教師の管理下で競走生活を送り、その卓越した能力で数々の栄光を掴みました。名前の由来は、ポルトガルのエンリケ航海王子（ヘンリーザナヴィゲーター）からきており、まさにその名にふさわしい航海のような、華々しい競走生活を送りました。

圧巻の2歳シーズンと2000ギニー制覇

2007年、デビュー戦を圧勝で飾ると、続くG2コヴェントリーステークスも制覇。将来を嘱望される存在となりました。しかし、G1フィーニクスステークス2着、G2フューチュリティステークスでは後に最優秀2歳牡馬となるニューアプローチに敗れるなど、課題も見えました。

2008年、ヘンリーザナヴィゲーターは2000ギニーに挑みます。ライバルであるニューアプローチとの再戦となりましたが、激しい接戦の末、ゴール前でハナ差の劇的な勝利を収めます。これがG1初制覇であり、鞍上のジョニー・ムルタ騎手にとっても同レース初勝利となりました。ニューアプローチへの雪辱を果たしたこの勝利は、彼の潜在能力を改めて世に知らしめました。

アイリッシュ2000ギニー制覇とダービー回避

勢いに乗るヘンリーザナヴィゲーターは、アイリッシュ2000ギニーにも出走。再びニューアプローチと対決し、2馬身差という圧倒的な強さで勝利を収めます。イギリス・アイルランド両国の2000ギニーを制覇したことで、彼の地位は不動のものとなりました。

ダービーステークスへの出走も検討されましたが、馬場状態を考慮し回避。代わりにセントジェームズパレスステークスに出走し、見事勝利を収めます。この勝利は、同厩舎、同馬主のロックオブジブラルタル以来の快挙であり、父キングマンボも制した同レースでの父子制覇という偉業も達成しました。

サセックスステークス制覇と惜敗

続くサセックスステークスも制し、G1競走4勝目を挙げました。しかし、ムーラン・ド・ロンシャン賞では5着に敗れ、連勝記録はストップ。その後もクイーンエリザベス2世ステークス、ブリーダーズカップ・クラシックではレイヴンズパスに敗れ、2着に終わりました。

種牡馬として

2009年よりケンタッキー州のアッシュフォードスタッドで種牡馬入り。初年度の種付け料は6万5千ドルと高額でしたが、その期待に応え、多くの優秀な産駒を輩出しました。ペドロザグレート、ジョージヴァンクーヴァー、スディルマン、ムガトゥーなど、G1競走を制した産駒も数多くいます。

輝ける血統

ヘンリーザナヴィゲーターの血統は、その競走能力を裏付けるものとなっています。全姉のクイーンクレオパトラはG3競走を制覇しており、母セコイヤも、その母系には数々のG1競走馬を生み出している名血が連なっています。これらの血統背景は、彼の類まれな能力の源泉といえるでしょう。

ヘンリーザナヴィゲーターは、競走馬として、そして種牡馬として、その名を後世に刻んだ偉大な競走馬です。彼の伝説は、これからも語り継がれていくことでしょう。

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