ヘンリー・ハワード (第6代ノーフォーク公)

第6代ノーフォーク公ヘンリー・ハワード

第6代ノーフォーク公ヘンリー・ハワードは、1628年に生まれたイングランドの貴族で、1684年に死去しました。彼は豊かな家系に生まれ育ち、様々な職任を歴任しました。

生い立ちと初期の生活

ヘンリーはアランデル伯爵ヘンリー・ハワードとその妻エリザベスの次男として誕生しました。兄のトマスは第5代ノーフォーク公であり、さらにフィリップという枢機卿の弟もいた彼の家族は、イングランドの貴族社会で重要な役割を果たしました。若い頃のヘンリーは主に海外に滞在していたため、その経験が彼の後の政治的活動に影響を与えたと考えられます。

特に1660年、彼は国王を説得するために200,000リーブラの借金を負った結果、兄トマスにノーフォーク公爵位が復権されることに成功しました。これにより、彼は政治的な影響力を高めることになりました。

政治活動と爵位

1661年にはリンカーン法曹院のメンバーとなり、1665年に帰国した際には王立協会のフェローに選出されました。ロンドンの大火の後にはアランデル・ハウスの一室を王立協会に提供し、科学や文化の振興にも貢献しました。

1669年にはライジング城のハワード男爵に叙せられ、さらに1672年にはノーリッジ伯爵に昇格。その後、1677年に兄トマスが子を残さずに死去した際、ヘンリーは第6代ノーフォーク公爵位を継承しました。ただし、兄のトマスは精神的に不安定であり、ヘンリーの判断で長い間イタリアで監禁されていたため、この譲渡は物議を醸しました。

議会における審査法の可決も彼にとって大きな影響を与えました。この法律によりカトリックが政界への参加を禁じられたことに対し、ヘンリーは自身のカトリックであるがゆえに国家への奉仕を奪われることに強い失望感を抱きました。これ以降、彼は政治活動から距離を置くようになり、隠居生活を求めるようになったと言われています。

私生活と家族

1652年頃、彼はアン・サマセットと結婚し、2人の息子を授かりました。長男のヘンリーは後に第7代ノーフォーク公爵位を継承し、次男のトマス卿には二人の子供がおり、それぞれが第8代と第9代ノーフォーク公爵になります。その後、ジェーン・ビッカートンと再婚し、2人の娘をもうけ、長女エリザベスは初代ゴードン公爵と結婚しました。

晩年

彼は1684年1月11日にロンドン・ストランドのアランデル・ハウスで亡くなります。その遺体はサセックス州アランデルに埋葬され、名門貴族としての彼の生涯は、貴族の職務と個人的な苦悩の両方を反映したものでした。彼の死後、爵位は長男ヘンリーが相続しました。

結論

第6代ノーフォーク公ヘンリー・ハワードの生涯は、イングランドの貴族社会の移り変わりや、カトリックと政治との関わりを知る上で非常に重要です。彼を通じて、当時の社会情勢や家族の歴史が織りなす複雑な物語が浮かび上がります。

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