ヘンリー・リー (3世)

ヘンリー・リー（ライトホース・ハリー）

ヘンリー・リー III（1756年1月29日 - 1818年3月25日）、通称ライトホース・ハリーは、アメリカ独立戦争の著名な軍事指導者として知られています。ヴァージニア州で生まれ、彼はアメリカ合衆国建国の父の一人とみなされ、南北戦争の著名な将軍ロバート・E・リーの父でもあります。

前半生

リーはヴァージニア州ダムフリーズ近くで生まれました。その背景には、名門家系があり、彼の父、ヘンリー・リー II はイングランド系の将軍でした。また、母親はルーシー・グリムズで、彼の親族には著名な政治家や歴史的な人物が含まれています。リーの曾祖母は合衆国初代大統領トーマス・ジェファーソンと親戚関係にあり、家系は歴史的にも重要な結びつきを持っていました。
リーは法律を学び、ニュージャージー大学を卒業した後、アメリカ独立戦争の勃発に伴い、軍人としての道を歩むことになります。

軍歴

1776年、リーは大陸軍の第1軽装竜騎兵隊の隊員として任命され、その後も昇進を重ね、大尉として重要な役割を果たしました。1779年においてはパウルスフックの戦いでの活躍により名声を高め、彼は「ライトホース・ハリー」と呼ばれるようになります。この戦闘で彼は敵軍から158名の捕虜を取るという戦果を上げ、金メダルを授与されました。その栄光は独立戦争全体で彼だけに与えられたものでした。

リーはさらなる指揮のもとを経て、南部戦線で数多くの戦闘に参加しました。彼の指導力は多くの戦闘で光り、特にキャムデンやギルフォード郡庁舎の戦いで際立った成果を挙げることになります。1779年のヨークタウンの戦いでは、敵の指揮官チャールズ・コーンウォリスの降伏にも立ち会いました。健康上の理由で退役後も、彼は反乱者に対する民兵の指揮を取るなど、公共の利益に尽力しました。

結婚・家庭

1782年、リーは又従妹であるマチルダ・ルドウェル・リーと結婚しました。彼女との間には3人の子どもが生まれましたが、マチルダは1790年に早逝しました。その後、リーは17歳年下のアン・ヒル・カーターと再婚し、この夫婦はさらに6人の子どもを授かります。その中のひとり、ロバート・エドワード・リーは後に南北戦争の将軍として名を馳せました。

しかし、リーの私生活は多くの試練に見舞われました。事業においては思うように行かず、数回の財政的苦境に立たされ、最終的には所有するすべての財産を失ってしまいます。債務者刑務所に居住している間も辛い思いをし、財政的な問題が家庭にも影を落としました。

政治活動

リーはまた政治家としても活躍しました。1785年から1788年にかけて大陸会議の代表を務め、アメリカ合衆国憲法の採択には賛成し、1791年からはバージニア州知事としても政治の一線で影響力を持ちました。1794年にはウィスキー税の反乱を鎮圧するための軍を指揮する一方で、新たにリー郡が創設され、その功績は称えられました。

死去

リーは1812年にボルチモアで暴徒による襲撃に見舞われ、その後重傷を負い回復しませんでした。1818年、ジョージア州のダンジェネスで息を引き取り、最終的にはバージニア州レキシントンの大学内にあるリー礼拝堂に埋葬されました。彼の著作には、戦争の経験をまとめた著書がありますが、それは彼の名声を永遠にする要素となりました。

リーの血縁にはアメリカ合衆国の司法長官を務めた長兄やみずからも政治に身を置いた弟たちがおり、彼の家族もまた歴史に名を刻んでいます。

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