ベアトリス・ディディエ

ベアトリス・ディディエについて

ベアトリス・ディディエ（Béatrice Didier）は、1935年12月21日にフランスのイゼール県ラ・トロンシュで生まれた文芸評論家です。彼女のキャリアは、主に文学の教授としての活動と校訂版の編集に焦点を当てています。

経歴

ディディエは1965年に文学博士号を取得し、高等師範学校の名誉教授としての地位を確立しました。彼女は、女子高等師範学校での臨時副学長を務めた経験もあり、文学や音楽の関係に関するゼミナールを主催していたことから、その教育者としての影響力は大きいです。また、彼女の専門領域は18世紀から19世紀にかけての文学であり、特にセナンクール、シャトーブリアン、スタンダール、ジョルジュ・サンド、さらには自伝文学に深い造詣があります。

研究と著作

ディディエは多くの著作を出版し、文芸評論誌『Europe』への寄稿でも知られています。フランス大学出版局では、『Écrivains』や『Écriture』、『Écrit』といった選集の出版を手掛け、彼女の編集業務は文学界において高い評価を受けています。

ディディエは、シャトーブリアン協会の副会長としても活動し、フランスの文学遺産の保存と推進に貢献してきました。彼女が手掛けた代表的な編著作品には、次のようなものがあります:

• - Sade (1976, Denoël)
• - Le Journal intime（日記論） (1976)

- 日本語訳 : 西川長夫、後平隆 共訳の日記論（松籟社、1987年）

• - Un dialogue à distance: Gide et Du Bos (1977)
• - La Musique des Lumières: Diderot, l'Encyclopédie, Rousseau (1985)
• - La Voix de Marianne（マリヴォーに関するエッセイ） (1987)
• - Le Siècle des Lumières (1987)
• - La Littérature de la Révolution française (1988)

- 日本語訳: 小西嘉幸訳のフランス革命の文学（文庫クセジュ 716、白水社、1991年）

• - Histoire de la littérature française du XVIIIe siècle (1992)
• - Alphabet et raison. Le paradoxe des dictionnaires au XVIIIe siècle (1996)
• - George Sand écrivain: un grand fleuve d'Amérique (1998)
• - L'Écriture-femme (1999)
• - Dictionnaire de littérature japonaise (2000)
• - Diderot dramaturge du vivant (2001)
• - Dictionnaire de littérature grecque ancienne et moderne (2001)
• - Stendhal et l'État (2002)
• - Gil Blas de Lesage (2002)
• - Stendhal ou la dictée du bonheur (2004)
• - Chateaubriand avant le Génie du christianisme (2006)

栄誉

彼女の教育と文学に対する貢献は高く評価されており、教育功労章や国家功労勲章など、多くの栄誉を受けています。特に、アカデミー・フランセーズから贈られたモンティヨン賞（Prix Montyon）は、彼女の著書『Un dialogue à distance: Gide et Du Bos』に対して与えられました。

まとめ

ベアトリス・ディディエは、フランスの文学と教育界において大いに貢献してきた文芸評論家であります。彼女の業績は文学研究の発展に寄与し、多くの著作や編集作業を通じて、後世に大きな影響を残しています。

もう一度検索