教育功労章

教育功労章について

教育功労章（フランス語: Ordre des Palmes académiques）は、フランス共和国国民[[教育省]]が、教育分野で顕著な功績を挙げた人物に授与する名誉勲章です。この勲章は、フランスの教育、学術研究、文化交流への貢献を称えるもので、フランス人だけでなく、フランス語教育やフランスとの文化交流に貢献した外国人も受章の対象となります。

歴史

教育功労章の歴史は、1808年にナポレオン・ボナパルトによって創設されたものに遡ります。当初は、大学区の設立に伴い、教育者の等級に応じて勲章が授与されていました。この頃の勲章は、制服に縫い付けて着用するもので、現代のようなピンで取り付けるものではありませんでした。その後、教育制度や行政機関の変遷に伴い、勲章の等級や意匠も変化を遂げました。

1866年には、教育分野以外でも貢献のあった人物にも授与されるようになり、教育功労章の対象が拡大されました。1955年には、現在の教育功労章が制定され、シュヴァリエ（騎士、3等）、オフィシエ（将校、2等）、コマンドゥール（司令官、1等）の3等級が設けられました。勲章のデザインも、オリーブと月桂樹のデザインから、棕櫚の枝2本をデザインしたものに変更されました。このデザインは、1808年制定の勲章と同じように棕櫚の枝をモチーフにしたものです。

1963年には、複数の勲章が廃止される中で、教育功労章は、芸術文化勲章、農事功労章、海事功労章とともに維持されることになりました。

受章者

教育功労章は、教育分野で優れた業績を挙げた多くの著名人に授与されています。受章者の例として、以下のような人々が挙げられます。

シュヴァリエ（騎士、3等）:
ワシーリー・アンドレーエフ（ロシアの民族楽器演奏家）
リュドミラ・ウリツカヤ（ロシアの小説家）
トミー・ウンゲラー（フランスの作家、イラストレーター）
榊佳之（日本の分子[[生物学]]者）
辻静雄（日本のフランス料理研究家）
室伏きみ子（日本の生物学者）
澤田直（日本のフランス哲学・文学者）
棚沢直子（フランス文学者、東洋大学名誉教授）

オフィシエ（将校、2等）:
モーリス・アレ（フランスの経済学者、物理学者）
渡辺明正（日本のフランス文学者）
フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ（ブラジルの政治家、社会学者）
河合斌人（日本の実業家、教育者）
鈴木康司（日本のフランス文学者）
中村睦男（日本の憲[[法学]]者）
宮田清藏（日本の工学者）
飯田年穂（日本の政治学者、明治大学名誉教授）
松村剛（日本のフランス文学者）
立花英裕（日本のフランス文学者）
大六野耕作（日本の政治学者、明治大学学長）
羽田正（日本の歴史学者）

コマンドゥール（司令官、1等）:
アナトール・アブラガム（フランスの物理学者）
ルネ・カサン（フランスの法学者）
レオポール・セダール・サンゴール（セネガルの政治家、初代大統領）
アンドレ・シャステル（フランスの美術史家）
シリントーン（タイ王国の王族）
安西祐一郎（日本の工学者）
清成忠男（日本の経営学者）
* 西堀昭（日仏文化交流研究者、横浜国立大学名誉教授）

勲章の意匠

勲章の意匠は、棕櫚の枝をモチーフにしたデザインで、等級によって材質や大きさが異なります。

教育功労章受章者（会員）協会

1962年には、教育功労章の受章者による協会（AMOPA）が設立され、1968年に公益認定を受けています。この協会は、教育功労章の受章者間の交流や、教育の発展を目的とした活動を行っています。

近年の動き

近年では、各等級の年間受章者数が制限されており、教育功労章の希少性が高まっています。

教育功労章は、教育分野で卓越した功績を挙げた人物を称える、非常に名誉ある勲章です。その歴史と受章者の顔ぶれからも、この勲章がフランスの教育、学術研究、文化交流に果たした役割の大きさがうかがえます。

もう一度検索