ベアボーンズ議会

ベアボーンズ議会について

イングランド共和国時代、清教徒革命の流れの中で設立されたベアボーンズ議会は、1653年の短い期間ながら重要な役割を果たしました。この議会は、オリバー・クロムウェルやニューモデル軍の幹部たちによって創設され、急進的な改革を目指しましたが、内部対立によってわずか半年で解散に至ります。ここでは、その背景や経過、そして最終的な帰結について詳しく見ていきます。

設立の背景

1653年4月20日、オリバー・クロムウェル率いるニューモデル軍はランプ議会をクーデターで解散させ、その後の政権構想を検討しました。クロムウェルの部下であるジョン・ランバートは、選ばれた評議会によって国政を行う体制を提案しました。対照的に、急進派のトマス・ハリソンは議会不要論を主張し、宗教的な理念に基づく寡頭政治を推し進めようとしました。最終的に、クロムウェルはハリソンの案に傾き、7月4日にベアボーンズ議会が召集されることになりました。

議員の選出

ベアボーンズ議会では、議員は選挙によって選ばれたのではなく、士官会議や独立派の教会から推薦を受けた人物が指名されました。基準は信仰の強さや誠実さであり、結果140名の議員のうち、約60人が急進派ピューリタン、80人が中道派に属していました。議会は開会時、宗教の寛容や国の円滑な統治を重視し、クロムウェルはその役割を期待していました。

議会の混乱

しかし、ベアボーンズ議会は設立直後から困難な状況に直面しました。派閥抗争や提案の存続を巡る対立が続き、特に優先されるべき税金の扱いについて急進派と穏健派の間の意見の食い違いが激化しました。内部分裂は次第に深刻化し、クロムウェルは自身の期待を失う一方で、協調性の欠如による議会の運営に頭を抱えました。急進派は次々と改革を提案しましたが、穏健派からの警戒を招き、議会内の混乱を助長する結果となりました。

軍との対立

議会の崩壊は、軍と議会の関係でも引き金となりました。軍の給料未払い問題や議会による軍縮の試みが、軍の反発を招きました。11月には高級士官の無給勤務提案などが浮上し、軍の不満が高まる中、クロムウェル自身も議会に対して失望感を強めていました。最終的に、12月12日、議会は急進派を非難し、クロムウェルに権力を譲渡することを表明しました。この動きに対して急進派は抵抗を試みましたが、結局、議会は解散に追い込まれました。

結果と影響

ベアボーンズ議会の失敗は、クロムウェルにとっても痛手となり、彼はこの出来事を後に「悲しく振り返る」と述べています。議会の内部分裂や急進派の暴走が主な原因であり、一般国民との信頼関係の欠如も挙げられます。最終的に、ベアボーンズ議会解散後、クロムウェルは『統治章典』に基づき護国卿に就任し、新たな政治体制を築いていくことになります。

このように、ベアボーンズ議会は、一時的な権力機関としての役割を果たしましたが、結局は内部分裂と失望の結果として歴史に名を残すものとなりました。

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