ベア・ナックルIV
『ベア・ナックルIV』（Streets of Rage 4）は、DotEmu、Lizardcube、Guard Crush Gamesが共同で開発したベルトスクロールアクションゲームであり、セガの『ベア・ナックル』シリーズの第4作目として、シリーズファン待望の新作です。
本作は、『ベア・ナックル3』から10年後の世界を舞台に、平和を取り戻したはずのウッド・オークシティに新たな危機が訪れます。Mr.Xの子供たちであるY姉弟が、洗脳作用のある音楽を用いて街を支配しようと企む中、主人公たちは再び立ち上がります。
物語は、『ベア・ナックル3』でMr.Xの野望が打ち砕かれ、平和が訪れたウッド・オークシティから10年後。街は再びY姉弟によって危機に晒されます。彼らは洗脳音楽を使い、街を支配しようとしていました。
これに対し、ブレイズ・フィールディングは、かつての仲間であるアクセル・ストーン、アダム・ハンター、そしてアダムの娘チェリー、さらにドクター・ザンの弟子であるサイボーグのフロイド・イライアと共に、Y姉弟の野望を阻止するために立ち上がります。
本作は、ベルトスクロールアクションゲームとして、オフラインでは最大4人、オンラインでは最大2人での協力プレイが可能です。プレイヤーは、素手での攻撃に加え、武器やアイテムを駆使して押し寄せる敵を倒していきます。
各キャラクターは通常攻撃や投げ技に加え、体力を消費するスペシャル攻撃、ステージ内のスターを集めることで発動できる無敵のスーパー奥義を持っています。スペシャル攻撃は、使用後に体力が回復しますが、攻撃中にダメージを受けると消費した体力が確定するシステムです。
コンボシステムも特徴的で、誰かがダメージを受けるまでジャグリングを続けることでコンボカウントが継続し、高スコアを獲得できます。
メインモードであるストーリーモード（全12ステージ）をクリアすると、1回でのクリアを目指す「アーケード」、ボスとの連戦である「ボスラッシュ」といった隠しモードが解放されます。また、クリア後には任意のステージを再びプレイすることも可能です。
さらに、ブレイズ、アクセル、アダム、チェリーに加え、ステージ進行でアンロックされるアダム、追加DLCで使用可能なボスキャラ3体、そして、プレイヤーの通算スコアに応じて歴代作品の主人公が使えるようになる「レトロモード」も存在します。
レトロモードでは、過去作のシステムも一部再現されており、例えば初代『ベア・ナックル 怒りの鉄拳』の主人公を選択した場合は、他の警官を呼び出して応戦してもらうことができます。ただし、これらのキャラクターは、本作のスペシャル技は使用できず、通常攻撃とスーパー奥義が主な攻撃手段となります。
また、本作では、『I』と『II』の音楽をゲーム内で流すことも可能です。
『モンスターワールドII ドラゴンの罠』のリメイク版『ワンダーボーイ ドラゴンの罠』の成功を受けて、開発元のLizardCubeと販売元のDotEmuは、セガに『ベア・ナックル』シリーズの新作について相談しました。セガがこれを承諾し、Dotemuにライセンスを与え、2018年初頭から開発が開始されました。
開発はLizardCubeとDotEmuのメンバーを中心とした5人が担当。LizardCubeがグラフィックを、DotEmuがパブリッシングや微調整を、そしてベルトスクロールアクションゲーム『Streets of Fury』の開発実績を持つGuard Crush Gamesがゲームエンジンの構築やプログラミングを担当しました。さらに、PlayStation 4|PlayStation_4とNintendo Switch版の開発にはSeaven Studioが、Xbox OneおよびWindows 10版の開発にはBlitWorksがそれぞれ参加しました。
初期プレイヤーキャラクターのアニメーションには約1,000フレームが用いられ、敵キャラクターには300から400フレームが用いられています。
プロトタイプ制作段階では、過去作のスプライトを流用していましたが、手書きイラストと過去作のドット絵が混在する様子が面白いと気付いた開発チームは、過去作のキャラクターもドット絵のままプレイアブル化することを決定しました。
DotEmuのプロデューサーであるCyrille Imbertは、歴代作品の主人公のプレイアブル化に苦労したことを述べており、各キャラクター約1,500フレームを取り出し、アニメーションを再構築したそうです。さらに、動作や攻撃判定などを調査し、本作のシステムに合うように調整していきました。
一部のキャラクターは再現に時間がかかったものの、最終的には本作に適合させることに成功しました。しかし、『ベア・ナックルIII』の隠しキャラクターであるビクティや、『忍 -SHINOBI-』シリーズのジョー・ムサシは、諸事情により参戦が見送られました。
開発初期のテストでは、『ベア・ナックルII』の楽曲を仮曲として使用していましたが、グラフィックと同様に、従来作品のような雰囲気の音楽が求められていると考え、現代の音楽と懐古的な16ビット機時代の音楽を融合させる方針が決定しました。
音楽は、オリビエ・ドリヴィエールが中心となり、シリーズ作品を手掛けた川島基宏、古代祐三、さらに下村陽子、山岸継司、藤田晴美、Das Mörtal, Groundislavaといった豪華ゲスト作曲家が参加しています。特に古代祐三は、今までのゲームミュージック制作でやりたかったことを実現する方針で制作に臨んだと語っています。
サウンドトラックは2020年4月30日にデジタル配信され、Limited Run GamesからはCDが発売されました。また、パッケージ版の一部エディションにはサウンドトラックCDが付属し、予約特典として『ソニックマニア』の作曲家であるTee LopesによるリミックスCDが付属しました。
本作は2020年4月30日に、Microsoft Windows、Nintendo Switch、PlayStation 4|PlayStation_4、Xbox One向けに配信されました。Limited Run Gamesからは特典付きのパッケージ版が発売され、Signature Editionからも豪華版が販売されています。
日本語版は架け橋ゲームズが担当し、日本独自のパッケージ版である『ベア・ナックルIV スペシャルエディション』が3gooから7月30日に発売されました。
本作は、Metacriticをはじめ、各メディアで高い評価を得ています。イギリスの新聞メトロは、ベルトスクロールアクションシリーズの復帰作として素晴らしい出来であると評価し、オーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルドは、過去作のノスタルジアと革新を見事に両立させていると評しました。
GameSpotのハイジ・ケンプスは、ビジュアル、サウンド、プレイフィールを評価し、何度も遊びたくなる作品であると述べました。Easy AlliesのMichael Huberは、戦闘システムや音楽を評価する一方で、オンライン要素には課題があると指摘しています。
ファミ通に記事を寄せたライターBRZRKは、爽快なアクションや難易度曲線を評価し、何度も遊びたくなる作品と評しました。また、音楽についても、90年代のハウスミュージックらしさを出していると評しました。同じくファミ通の戸塚伎一は、攻撃が成功したときの快感や試行錯誤の楽しさを評価しつつ、Mr.Xの後継ぎという設定に違和感を覚えたと指摘しています。さらに、「レトロモード」のドット絵のグラフィックが浮いているものの、シリーズらしさが出ているとも評しました。
喫茶板東は、快適な操作性を評価し、レトロモードも面白いと語っています。Game*SparkのMr.Katohは、オーソドックスなベルトスクロールアクションゲームの面白さが発揮されていると評価し、What's In Tokyoの龍田優貴は、懐かしくも新しい作品として仕上がっていると評価しています。
一方で、IGNのデイル・ドライバーは、本作が過去に囚われていると述べ、Game InformerのJoe Jubaも同様に、90年代のオマージュであると同時に、その時代に囚われている感じがすると述べています。
本作は、『ベア・ナックル3』から10年後の世界を舞台に、平和を取り戻したはずのウッド・オークシティに新たな危機が訪れます。Mr.Xの子供たちであるY姉弟が、洗脳作用のある音楽を用いて街を支配しようと企む中、主人公たちは再び立ち上がります。
あらすじ
物語は、『ベア・ナックル3』でMr.Xの野望が打ち砕かれ、平和が訪れたウッド・オークシティから10年後。街は再びY姉弟によって危機に晒されます。彼らは洗脳音楽を使い、街を支配しようとしていました。
これに対し、ブレイズ・フィールディングは、かつての仲間であるアクセル・ストーン、アダム・ハンター、そしてアダムの娘チェリー、さらにドクター・ザンの弟子であるサイボーグのフロイド・イライアと共に、Y姉弟の野望を阻止するために立ち上がります。
ゲームシステム
本作は、ベルトスクロールアクションゲームとして、オフラインでは最大4人、オンラインでは最大2人での協力プレイが可能です。プレイヤーは、素手での攻撃に加え、武器やアイテムを駆使して押し寄せる敵を倒していきます。
各キャラクターは通常攻撃や投げ技に加え、体力を消費するスペシャル攻撃、ステージ内のスターを集めることで発動できる無敵のスーパー奥義を持っています。スペシャル攻撃は、使用後に体力が回復しますが、攻撃中にダメージを受けると消費した体力が確定するシステムです。
コンボシステムも特徴的で、誰かがダメージを受けるまでジャグリングを続けることでコンボカウントが継続し、高スコアを獲得できます。
メインモードであるストーリーモード（全12ステージ）をクリアすると、1回でのクリアを目指す「アーケード」、ボスとの連戦である「ボスラッシュ」といった隠しモードが解放されます。また、クリア後には任意のステージを再びプレイすることも可能です。
さらに、ブレイズ、アクセル、アダム、チェリーに加え、ステージ進行でアンロックされるアダム、追加DLCで使用可能なボスキャラ3体、そして、プレイヤーの通算スコアに応じて歴代作品の主人公が使えるようになる「レトロモード」も存在します。
レトロモードでは、過去作のシステムも一部再現されており、例えば初代『ベア・ナックル 怒りの鉄拳』の主人公を選択した場合は、他の警官を呼び出して応戦してもらうことができます。ただし、これらのキャラクターは、本作のスペシャル技は使用できず、通常攻撃とスーパー奥義が主な攻撃手段となります。
また、本作では、『I』と『II』の音楽をゲーム内で流すことも可能です。
開発
『モンスターワールドII ドラゴンの罠』のリメイク版『ワンダーボーイ ドラゴンの罠』の成功を受けて、開発元のLizardCubeと販売元のDotEmuは、セガに『ベア・ナックル』シリーズの新作について相談しました。セガがこれを承諾し、Dotemuにライセンスを与え、2018年初頭から開発が開始されました。
開発はLizardCubeとDotEmuのメンバーを中心とした5人が担当。LizardCubeがグラフィックを、DotEmuがパブリッシングや微調整を、そしてベルトスクロールアクションゲーム『Streets of Fury』の開発実績を持つGuard Crush Gamesがゲームエンジンの構築やプログラミングを担当しました。さらに、PlayStation 4|PlayStation_4とNintendo Switch版の開発にはSeaven Studioが、Xbox OneおよびWindows 10版の開発にはBlitWorksがそれぞれ参加しました。
初期プレイヤーキャラクターのアニメーションには約1,000フレームが用いられ、敵キャラクターには300から400フレームが用いられています。
プレイヤーキャラクターの制作
プロトタイプ制作段階では、過去作のスプライトを流用していましたが、手書きイラストと過去作のドット絵が混在する様子が面白いと気付いた開発チームは、過去作のキャラクターもドット絵のままプレイアブル化することを決定しました。
DotEmuのプロデューサーであるCyrille Imbertは、歴代作品の主人公のプレイアブル化に苦労したことを述べており、各キャラクター約1,500フレームを取り出し、アニメーションを再構築したそうです。さらに、動作や攻撃判定などを調査し、本作のシステムに合うように調整していきました。
一部のキャラクターは再現に時間がかかったものの、最終的には本作に適合させることに成功しました。しかし、『ベア・ナックルIII』の隠しキャラクターであるビクティや、『忍 -SHINOBI-』シリーズのジョー・ムサシは、諸事情により参戦が見送られました。
音楽
開発初期のテストでは、『ベア・ナックルII』の楽曲を仮曲として使用していましたが、グラフィックと同様に、従来作品のような雰囲気の音楽が求められていると考え、現代の音楽と懐古的な16ビット機時代の音楽を融合させる方針が決定しました。
音楽は、オリビエ・ドリヴィエールが中心となり、シリーズ作品を手掛けた川島基宏、古代祐三、さらに下村陽子、山岸継司、藤田晴美、Das Mörtal, Groundislavaといった豪華ゲスト作曲家が参加しています。特に古代祐三は、今までのゲームミュージック制作でやりたかったことを実現する方針で制作に臨んだと語っています。
サウンドトラックは2020年4月30日にデジタル配信され、Limited Run GamesからはCDが発売されました。また、パッケージ版の一部エディションにはサウンドトラックCDが付属し、予約特典として『ソニックマニア』の作曲家であるTee LopesによるリミックスCDが付属しました。
販売
本作は2020年4月30日に、Microsoft Windows、Nintendo Switch、PlayStation 4|PlayStation_4、Xbox One向けに配信されました。Limited Run Gamesからは特典付きのパッケージ版が発売され、Signature Editionからも豪華版が販売されています。
日本語版は架け橋ゲームズが担当し、日本独自のパッケージ版である『ベア・ナックルIV スペシャルエディション』が3gooから7月30日に発売されました。
評価
本作は、Metacriticをはじめ、各メディアで高い評価を得ています。イギリスの新聞メトロは、ベルトスクロールアクションシリーズの復帰作として素晴らしい出来であると評価し、オーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルドは、過去作のノスタルジアと革新を見事に両立させていると評しました。
GameSpotのハイジ・ケンプスは、ビジュアル、サウンド、プレイフィールを評価し、何度も遊びたくなる作品であると述べました。Easy AlliesのMichael Huberは、戦闘システムや音楽を評価する一方で、オンライン要素には課題があると指摘しています。
ファミ通に記事を寄せたライターBRZRKは、爽快なアクションや難易度曲線を評価し、何度も遊びたくなる作品と評しました。また、音楽についても、90年代のハウスミュージックらしさを出していると評しました。同じくファミ通の戸塚伎一は、攻撃が成功したときの快感や試行錯誤の楽しさを評価しつつ、Mr.Xの後継ぎという設定に違和感を覚えたと指摘しています。さらに、「レトロモード」のドット絵のグラフィックが浮いているものの、シリーズらしさが出ているとも評しました。
喫茶板東は、快適な操作性を評価し、レトロモードも面白いと語っています。Game*SparkのMr.Katohは、オーソドックスなベルトスクロールアクションゲームの面白さが発揮されていると評価し、What's In Tokyoの龍田優貴は、懐かしくも新しい作品として仕上がっていると評価しています。
一方で、IGNのデイル・ドライバーは、本作が過去に囚われていると述べ、Game InformerのJoe Jubaも同様に、90年代のオマージュであると同時に、その時代に囚われている感じがすると述べています。
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