ベインティシンコ・デ・マヨ (空母)

ベインティシンコ・デ・マヨ (ARA Veinticinco de Mayo)

ベインティシンコ・デ・マヨはアルゼンチン海軍の航空母艦であり、1969年に就役し1997年に退役しました。その名はスペイン語で「5月25日」を意味し、アルゼンチンの五月革命記念日に由来しています。特にこの艦名は、歴史的な背景を持つ重要な名称とされています。

艦歴

イギリス海軍時代

この艦は元々イギリス海軍の第二次世界大戦中に建造され、1945年にHMSヴェネラブルとして就役しました。しかし、戦争が終わるとその必要性が薄れ、1948年にオランダに売却されます。オランダ海軍ではカレル・ドールマンと改名され、近代化改修が行われましたが、1968年の機関室での火災により計画を縮小し、1969年にアルゼンチン海軍に売却されることになりました。

アルゼンチン海軍での運用

アルゼンチン海軍においては、ベインティシンコ・デ・マヨは唯一の空母として運用されました。これに伴い、艦載機部隊の編成も行われ、F9FパンサーやA-4Qスカイホークなどが搭載されました。さらに、1980年代初頭には、飛行甲板の改修が実施され、シュペルエタンダールの搭載も可能となりました。

フォークランド紛争

1982年のフォークランド紛争では、この艦がイギリスと対峙することになります。フォークランド諸島近海で展開した際、オペレーションが計画されましたが、技術的な問題により艦載機が離艦できず、歴史的な航空母艦同士の戦いは実現しませんでした。この紛争を通じて、イギリス海軍は多くの損失を被り、その中には駆逐艦も含まれました。

紛争後の状況

フォークランド紛争後、シュペルエタンダールが艦載機部隊に加わるものの、機関にトラブルが発生し、運用が制限されました。1980年代後半には主機のディーゼルエンジンへの換装が試みられるも、経済的負担が重くなり1997年には退役することとなりました。退役後は他国の航空母艦の飛行甲板を借りて訓練が行われたものの、新たな空母の導入は実現していません。

終焉

2000年にこの艦はインドへ送られ、そこで解体されました。ベインティシンコ・デ・マヨの歴史は、単なる軍艦としての運用以上に、異なる国々の海軍の歴史、さらには航空母艦の運用の課題と成功の両方を物語る重要な要素となっています。

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