ベスゴ (潜水艦)

ベスゴ (USS Besugo, SS/AGSS-321): アメリカ海軍バラオ級潜水艦の戦歴

ベスゴ (USS Besugo, SS/AGSS-321) は、アメリカ海軍の潜水艦で、バラオ級潜水艦の一隻です。艦名はスペイン語で「タイ」を意味します。

起工から太平洋戦線へ

1943年5月27日、ベスゴはコネチカット州グロトンのエレクトリック・ボート社で起工され、1944年2月27日に進水、同年6月19日にトーマス・L・ウォーガン少佐の指揮下で就役しました。太平洋艦隊に配属されたベスゴは、1944年7月25日に真珠湾に到着し、戦線に加わります。

太平洋戦争での哨戒

ベスゴは第二次世界大戦中に5回の哨戒を実施し、数々の戦果を挙げました。

第1、第2の哨戒 (1944年9月 - 12月)
最初の哨戒では日本近海で監視艇を撃沈。都井岬沖では駆逐艦「涼月」に魚雷を命中させ、損傷を与えました。足摺岬沖では、機動部隊に付属するタンカー「仁栄丸」を攻撃、護衛の第132号海防艦を損傷させました。
2回目の哨戒では南シナ海で第151号輸送艦を撃沈しています。

第3、第4、第5の哨戒 (1944年12月 - 1945年7月)
3回目の哨戒では、南シナ海でタンカー「日栄丸」を撃沈。マレー半島東岸クアンタン沖では、タンカー「さらわく丸」を撃破しました。また、第144号海防艦を撃沈しています。
4回目の哨戒では、軽巡洋艦「五十鈴」などを発見するも攻撃を断念。その後、第12号掃海艇を撃沈。さらに、ドイツ潜水艦U-183を撃沈し、士官1名を捕虜としました。特設監視艇乙女丸も撃沈しています。
* 5回目の哨戒では、日本の主要な艦船がほとんど姿を消していたため、戦果を挙げることはできませんでした。

戦後の活動と退役

終戦後、ベスゴは1946年5月6日に真珠湾に配属され、その後8年間は真珠湾を拠点として活動しました。この間、極東巡航で朝鮮戦争にも従事しています。1958年3月21日に退役し、太平洋予備役艦隊入り。1962年に AGSS-321 （調査潜水艦）へ艦種変更、1965年6月15日に再就役し、1966年にはフリート・シュノーケル改修が行われました。1966年3月31日に再び退役し、イタリア海軍に貸与。イタリア海軍ではフランチェスコ・モロシニ (Francesco Morosini, S 508) の艦名で活動し、その後アメリカ海軍に返却されました。1975年11月15日に除籍され、1976年4月16日にスクラップとして売却されました。

ベスゴは第二次世界大戦の戦功で4個、朝鮮戦争の戦功で1個の従軍星章を受章しました。

ベスゴの戦歴まとめ

ベスゴは、太平洋戦争において重要な役割を果たした潜水艦であり、数々の敵艦を撃沈、撃破しました。戦後も調査潜水艦として活動し、その生涯を終えました。その功績は、アメリカ海軍の歴史に深く刻まれています。

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