ベストラ

ベストラは、北欧神話に登場する霜の巨人族の女性であり、巨人ボルソンの娘として知られています。

概要

『スノッリのエッダ』の『ギュルヴィたぶらかし』によると、ベストラは神ボルと結婚し、オーディン、ヴィリ、ヴェーという三柱の神々の母となりました。彼女の出自は、神々と巨人族との関係を理解する上で重要な要素となります。

知恵の巨人ミーミルはオーディンの伯父であるとされています。このことから、ミーミルはベストラの兄である可能性が指摘されていますが、『エッダ』において、ミーミルとベストラが兄妹であるという明確な記述はありません。

ドナルド・A・マッケンジーの著書『北欧のロマン ゲルマン神話』では、原始巨人ユミルの左の脇の下にたまった汗から、ミーミルとベストラが生まれたという独自の解釈が紹介されています。この説は、神話の多様な解釈の存在を示唆しています。

ベストラは、北欧神話における神々と巨人族の関係性を象徴する存在であり、彼女の物語は、神話の奥深さを探求する上で重要な手がかりとなります。

参考文献

V.G.ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6。
ドナルド・A・マッケンジー『北欧のロマン ゲルマン神話』東浦義雄、竹村恵都子訳、大修館書店、1997年、ISBN 978-4-469-24419-9。

関連項目

夫ボル
息子オーディン、ヴィリ、ヴェー
父ボルソルン
ユミル
創造神話
ベストラ (衛星)

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