ベチュアナランド

ベチュアナランド保護領について

ベチュアナランド保護領は、南部アフリカに位置し、1885年から1966年までイギリスの支配下にあった地域です。この保護領は、現在のボツワナ共和国に該当し、独立を果たすまで多くの歴史的変遷を経てきました。国歌としては「女王陛下万歳ベチュアナランド保護領」が掲げられています。

名前の由来と地域の構成

「ベチュアナランド」という名称は、チュアナ族（現ツワナ族）に由来します。この地域は、南部のイギリス領ベチュアナランドと北部のイギリス保護領ベチュアナランドの二つに分かれていました。南部地域は後に南アフリカのケープ植民地の一部となり、現在も南アフリカに属しています。このため、「ベチュアナランド」の呼称は、一般的に北部の保護領を指すことが多いです。

北部は1966年にボツワナ共和国として独立するまで、イギリスの保護領として一つの行政単位であり続けました。

イギリスによる統治

イギリス政府は初めてベチュアナランドを保護領として統治しましたが、実際には植民地に近い扱いを受けていました。イギリスは当初、ベチュアナランドの行政権を南アフリカやローデシアに移行させる計画を立てていましたが、地域のツワナ族の首長たちの反発に遭いました。そのため、1966年のボツワナ独立まで、イギリスはベチュアナランドを保護領として維持しました。

この地域は、南アフリカにある主都マフェキングから統治されており、1965年にガベロンズに新たな首都が移されるまで、都市の開発はほとんど行われませんでした。ベチュアナランド保護領は、バストランド（現レソト）やスワジランド（現エスワティニ）とともに、高等弁務官地域の一つと位置づけられていました。

近代の歴史と独立運動

イギリスの統治下で、1920年には現地のアフリカ人とヨーロッパ人の間での諮問評議会が設置され、1951年には合併されました。1961年には初の憲法が発布され、権限が強化された諮問立法議会が設けられました。このような背景を受けて、1964年にはイギリス政府が民主的な自治政府の設立を許可し、1965年には新しい首都がガベロンズに移転しました。

当年、議会選挙が実施され、独立運動のリーダーであるセレツェ・カーマ率いるベチュアナランド民主党が勝利を収めました。1966年9月30日、イギリス保護領ベチュアナランドはその歴史に幕を下ろし、独立国家ボツワナ共和国が誕生しました。カーマは新国家の初代大統領に就任し、首相職は廃止されました。

まとめ

ベチュアナランド保護領は、独自の歴史を持ちながら、イギリスの保護下に長らく置かれていたという特殊な経緯があります。最終的には独立を果たすに至り、現在のボツワナ共和国の礎となった重要な地域です。この地域の歴史は、アフリカの植民地時代の複雑さや独立運動の重要性を示しています。

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