ベティ・グレイブル

ベティ・グレイブルの生涯と業績

ベティ・グレイブル（本名：Elizabeth Ruth Grable）は、1916年12月18日にアメリカ合衆国ミズーリ州セントルイスで誕生しました。彼女は姉と兄がいる家庭の末っ子として育ちましたが、兄は幼少期に亡くなりました。母親は子供の将来に期待を寄せ、特にグレイブルには芸能界での成功を望んでいました。その影響もあり、1929年にはわずか13歳で映画デビューを果たしました。しかし、当時は母親が娘の年齢を15歳と偽って登録したため、実際の年齢とは異なる形でのスタートとなりました。

デビュー後すぐに、彼女はサミュエル・ゴールドウィンと契約し、コーラスグループの「ゴールドウィン・ガールズ」として活動を開始。続いてRKOやパラマウントに移籍しましたが、しばらくの間は大きな成功に恵まれず、脇役やB級映画への出演が続きました。この時期の彼女はまだ世間に広く知られていませんでした。

その後、パラマウントとの契約が終わると、ブロードウェイに進出しエセル・マーマン主演のミュージカル「デュバリーは貴婦人」に出演します。この公演は好評を博し、彼女はダリル・F・ザナックにスカウトされ、20世紀フォックスと契約を結びました。1940年には映画「遥かなるアルゼンチン」でアリス・フェイの代役として出演し、この作品が大ヒットしたことで、一躍スターの仲間入りを果たしました。

第二次世界大戦中、グレイブルは「百万ドルの脚線美」と称賛されるほどに人気を集め、期間中のトップデマンドに応えた女優として名を馳せました。1942年から1951年までの10年間、彼女は「トップテン・マネーメイキングスター」の中に選ばれ、その影響力の強さを示しました。このようにして彼女の全盛期は戦時中にあり、日本では公開されない作品も多く存在しました。

1953年には「紳士は金髪がお好き」が元々の企画でグレイブル主演予定でしたが、彼女の契約上の問題からマリリン・モンローが代役を務めることになりました。ただし、次作である「百万長者と結婚する方法」では2人は共演しています。1955年に映画界からの引退後、グレイブルは夫のハリー・ジェイムスと共にラスベガスのショーに出演し、「ハロー・ドーリー!」のロングラン公演にも顔を見せました。

プライベートでは、グレイブルは最初にジャッキー・クーガンと1937年に結婚しましたが、1939年に離婚。次にバンドリーダーのハリー・ジェイムスと1943年に再婚し、1965年まで続く結婚生活を送り、2人の子供にも恵まれました。残念ながら、彼女は1973年に肺癌のため56歳でカリフォルニア州サンタモニカにて亡くなりました。彼女の生涯と業績は、アメリカ映画史において重要な一ページを刻んでいます。

主な出演作

• - 遥かなるアルゼンチン（1940）
• - 紳士は金髪がお好き（1953）
• - 百万長者と結婚する方法（1953）

ベティ・グレイブルは、その魅力と才能を生かして多くの人々に愛される存在となりました。彼女の功績は今なお多くのファンに語り継がれています。

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