ベトナム共和国空軍

ベトナム共和国空軍について

ベトナム共和国空軍（VNAF）は、1955年から1975年まで南ベトナム、すなわちベトナム共和国が保持していた空軍のことを指します。その起源は、1949年にフランス軍による教育を受けた少数のパイロットたちに遡ることができます。1974年時点で、VNAFは世界第6位の戦力を誇るまでに成長し、その後のアメリカとの関係及びベトナム戦争の流れに影響されました。1975年4月のサイゴン陥落以降、空軍は解体され、多くの兵士がアメリカに亡命しました。

設立の経緯

1949年3月、ベトナム国の元首であるバオ・ダイは、フランス軍に航空戦力の編成を支援してほしいとの要望を出しました。この要望の背後には、世界大戦中にフランス空軍でB-26の操縦士として活動していたグエン・ヴァン・ヒン中佐などの強い影響がありました。1952年にはニャチャンに航空訓練校が開設され、その翌年から陸軍航空隊が編成されました。1954年にはMD 315輸送機も少数ながら配備され、さらなる航空技術の向上が目指されました。しかし1954年のディエンビエンフーでの敗北を経て、第一次インドシナ戦争が終結すると、独立した空軍の設置が進められました。

戦闘の歴史

ベトナム戦争の期間中、ベトナム共和国空軍の主要な作戦はアメリカ軍が主導しましたが、空軍自体も北ベトナムに対する空爆に参加しました。当初は基本的な支援にとどまりましたが、アメリカ軍は南ベトナムの空軍に対して技術支援と訓練を行っていました。また、1965年以降VNAFはB-57ジェット機やUH-1ヘリコプターなどの近代的な航空機を手に入れ、戦力を向上させていきます。特に1972年はVNAFにとって重要な年であり、ヘリコプター部隊は世界最大と称される規模に達しました。

陥落とその後

1975年4月、サイゴンが陥落し政府機能が崩壊すると、VNAFも完全に統制を失います。一部の航空機は命令が無く無計画にタイに逃げる事態が発生しました。それでも一部の部隊は依然として北ベトナム軍に抵抗を試み、最後の攻撃任務として北ベトナム軍への攻撃を実施しました。最終的には、ズオン・バン・ミン大統領が降伏宣言を行い、VNAFは歴史の中に消えていきました。

主な装備

VNAFは多くの種類の航空機を運用していました。主な装備の中には、攻撃機としてA-1やA-37、爆撃機としてはB-26、戦闘機としてF8FやF-5A/B/C/Eなどが含まれます。また、空中輸送のためのC-130やCH-47ヘリコプターも利用されていました。

まとめ

ベトナム共和国空軍は、その短い歴史の中で大きな影響を及ぼしました。南ベトナムの防衛に重要な役割を果たしつつ、アメリカ軍との協力を通じて独自の発展を遂げたのです。サイゴン陥落で終焉を迎えましたが、その歴史は今なお多くの人々に語り継がれています。

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