ベトナム南北高速鉄道計画

ベトナム南北高速鉄道計画

ベトナム南北高速鉄道計画は、ベトナムの首都ハノイと経済の中心地ホーチミン市を結ぶ高速鉄道の建設計画です。この計画は、ベトナムの交通インフラを大幅に向上させ、経済成長を加速させる重要なプロジェクトとして位置づけられています。

計画の概要

2007年、ベトナム鉄道総公社は、パンアジア鉄道計画と連携し、鉄道の高速化を目指す計画を発表しました。当初、この計画には日本の政府開発援助（ODA）が投入される予定でした。計画では、既存の統一鉄道（南北線）とは別に、新たに複線の標準軌（1435mm）の高速鉄道を建設することが提案されました。総投資額は330億米ドルと見込まれ、設計上の最高速度は300km/hを想定していました。これにより、現在約29時間かかるハノイ～ホーチミン間の移動時間が約10時間に短縮されると期待されました。

計画の変遷

2009年、ベトナムのグエン・タン・ズン首相が来日し、日本の新幹線方式の導入を検討していることが明らかになりました。しかし、2010年にベトナム国会で高速鉄道計画案は否決されました。その後、計画は修正され再提出される予定でしたが、2013年には、建設費の高さとパンアジア鉄道との連結による中国の影響を警戒し、時速200km/h以下の準高速鉄道化を行う案が発表されました。

2016年、南北高速鉄道計画の見直しが指示され、2018年には予備事業化調査報告書が提出されました。この報告書では、全長1559kmの路線が計画され、20省・市を通過するルートが示されました。路線の60%が高架区間、30%が地上区間、10%がトンネル区間となる予定で、24駅（3駅追加の可能性あり）と5つの車両基地が設置される計画です。

建設時期

建設は2段階に分けて行われる計画です。第1期（2020～2030年）では、ハノイ～ヴィン間とニャチャン～ホーチミン間が建設され、第2期（2030～2045年）にはヴィン～ニャチャン間が建設されます。第2期のうち、ヴィン～ダナン間は2040年まで、ダナン～ニャチャン間は2045年までに完成する予定です。

今後の展望

ベトナム南北高速鉄道計画は、実現すればベトナムの交通インフラを大きく変える可能性があります。これにより、人々の移動が便利になり、経済発展にも大きく貢献することが期待されています。しかし、計画の実現には、資金調達や技術的な課題など、多くのハードルをクリアする必要があります。今後の計画の進展に注目が集まります。

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