ベネズエラ国鉄近郊列車

ベネズエラ国鉄近郊列車（エセキエル・サモラ鉄道）

ベネズエラ国鉄近郊列車、通称エセキエル・サモラ鉄道は、カラカスとミランダ州クア市を結ぶ全長約41kmの旅客鉄道です。国営鉄道独立法人（IFE）によって運営され、所要時間は片道約35分です。

歴史

2006年10月15日に開業し、ベネズエラ中央鉄道システムの一部として建設されました。開業以来、首都圏の重要な交通手段として機能しています。

車両

営業用車両は全て日本車輌製造製で、電装品には東芝製のものが採用されています。製造時期により2000形（一次車）と3000形（二次車）の2種類があります。

2000形

1992年に路線の建設計画と同時に製造契約が結ばれ、2001年に製造されました。路線開業まで車両基地で保管され、2006年の開業と同時に運用を開始しました。

3000形

乗客の増加に対応するため、2012年に製造契約が結ばれ、2014年から2015年にかけて製造されました。

車両の構造

2000形、3000形ともに4両13編成が製造されています。車体は軽量ステンレス鋼製で、2M2T（2両の電動車と2両の付随制御車）編成です。

編成: 4両編成（2M2T）
車体: 軽量ステンレス鋼製
長さ: 1両あたり約25m
扉: 片側両開き扉（幅1,600mm）
耐圧縮荷重: 200tf（現地の安全基準を満たすため、日本の車両の約4倍）

車内は固定式のFRP製クロスシートが配置され、握り棒やFRP製の天井パネル、窓キセなどにより、近代的で洗練された空間が演出されています。また、各車両の端には製造メーカーの大型プレートが設置されています。

主要機器

東芝製の電装品はIGBT-VVVFインバータ制御を採用し、240kWの誘導電動機を駆動します。最高速度は100km/hで、24‰の連続勾配を走行可能です。

制御方式: IGBT-VVVFインバータ制御
主電動機: 240kW誘導電動機
最高速度: 100km/h
勾配: 24‰連続勾配走行可能

制動装置は電気指令式空気ブレーキで、回生ブレーキを併用しています。台車はボルスタレス台車で、軽量化、保守の低減、乗り心地の向上を図っています。

路線

起点のシモン・ボリバル駅は、カラカス地下鉄3号線のラ・リンコナーダ駅に接続しています。沿線には6kmを超えるトンネルも存在します。

外部リンク

日本車輌製造公式サイト（ベネズエラ・カラカス近郊電車）

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