ベルナルド・オイギンス

ベルナルド・オイギンス・リケルメ（1778年8月20日 - 1842年10月24日）は、チリの軍人であり政治家です。彼は南アメリカ各国をスペインから独立させるために重要な役割を果たしました。日本の歴史書では、ベルナルド・オヒギンス、ベルナルド・オイヒンスなどと表記されることもあります。彼はアイルランド系とバスク系の血を引くチリ人でした。

生い立ちと独立運動への参加

ベルナルド・オイギンスは、当時スペイン帝国ペルー副王領の一部であったチジャンで生まれました。彼の父であるアンブローシオ・オイギンスはアイルランド出身のスペイン政府官僚であり、母は現地の女性でした。当時、スペイン政府はアメリカ州で上級官僚と現地住民との結婚を禁じていましたが、アンブローシオはまだ下級の軍士官であったため、ベルナルドの母と結婚しなかった理由は定かではありません。ベルナルドは父からの送金を受けながら、母の実家で育てられました。

父アンブローシオがペルー副王になると、ベルナルドはロンドンへ留学しました。そこで彼は南アメリカ独立の気運に触れ、南アメリカ独立を目指す結社ロヒア・ラウタロに入会しました。

チリ独立戦争での活躍

1814年、ベルナルド・オイギンスはチリ南部を代表してチリ独立戦争に加わりますが、スペイン軍に鎮圧されます。彼はアンデス山脈を越え、リオ・デ・ラ・プラタ（現アルゼンチン）へと亡命しました。1817年、ホセ・デ・サン＝マルティンのアンデス軍に参加し、翌1818年に再びアンデスを越えてチリへ侵入します。アンデス軍はチャカブコの戦いとマイプーの戦いでスペイン軍に勝利し、チリの独立を不動のものとしました。サン＝マルティンは彼をチリ元首に指名し、1818年2月12日にチリの独立を宣言しました。

チリの指導者として

指導者としてのオイギンスは、軍士官学校を設立し、現在のチリの国旗を制定するなど、国家の基礎を築きました。しかし、彼の自由主義的な政治姿勢はチリの保守的な地主階級から反発を受け、1823年1月28日の保守派のクーデターにより失脚しました。

亡命と晩年

失脚後、オイギンスはペルーに亡命し、1842年にペルーのリマで客死しました。彼の遺体は後にチリに送還され、国を挙げて手厚く葬られました。

死後

チリでは彼の功績を称え、10ペソ紙幣に肖像が使用されています。また、[小惑星] O'Higginsは彼の名前にちなんで命名されました。彼は「国民の父」として、今もチリ国民から敬愛されています。

彼はチリの独立に大きく貢献した英雄として、その名が歴史に刻まれています。彼の自由を求める精神とリーダーシップは、後の世代に大きな影響を与えました。

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