ベルリン中央駅

ベルリン中央駅：東西ドイツ統合の象徴

ベルリン中央駅（Berlin Hauptbahnhof）は、ドイツの首都ベルリンに位置する主要な鉄道駅です。2006年5月26日、サッカーのワールドカップ・ドイツ大会開催に合わせて開業しました。設計は、ドイツの大手建築事務所ゲルカン・マルク・アンド・パートナーズが手掛けました。

歴史的背景

東西冷戦下、ベルリンは東西に分断され、長距離列車のターミナル駅も、旧東ベルリンのベルリン東駅と、旧西ベルリンのベルリン動物園駅の2つに分かれていました。ベルリン中央駅は、本来都心に位置するべきターミナル駅として統合され、旅客の利便性を飛躍的に向上させました。

駅の場所には、第二次世界大戦直後までレールテ駅というターミナル駅がありましたが、1950年代初頭に長距離列車の発着が廃止され、Sバーンの駅だけが残っていました。現在の駅建設に際しては、Sバーンの駅も含めて完全に作り直されました。

駅の構造

ベルリン中央駅は、以下の3つの主要なプラットフォームで構成されています。

高架ホーム：地上3階、高さ10mに位置し、東西方向に伸びています。島式3面6線を有し、Sバーン用のホームも含まれています。
地下ホーム：地下2階、高さ-15mに位置し、南北方向に伸びています。島式4面8線を有し、"Berlin Hbf (tief)"と表記されることがあります。
地下鉄ホーム：南北地下ホームに平行して、地下鉄のホームが併設されています。1面2線の地下駅です。

ベルリンのターミナル駅の歴史

ベルリンに最初の鉄道が開業したのは1838年で、ベルリンとポツダムを結びました。その後、ベルリンとその郊外や他の都市を結ぶ鉄道が相次いで開業しましたが、ターミナル駅は市の外縁にバラバラに設けられました。

1880年代に入り、ベルリンの各路線を開業した私鉄は順次国有化され、プロイセン邦有鉄道に統合されました。ベルリンの市街を東西・南北に結ぶ鉄道路線が計画され、1882年にはベルリンの中心部を東西に貫通する高架線が開業しました。

第二次世界大戦後、ベルリンは東西に分割され、鉄道網も分断されました。1961年のベルリンの壁建設により、Sバーンも東西に分断されました。東西ドイツ統一後、ベルリンの鉄道網の復旧が進められ、ベルリン中央駅の建設が決定されました。

新中央駅の開業

新中央駅の開業は当初2003年の予定でしたが、工事の遅れにより2006年5月26日に開業しました。同時に、南北地下長距離線も開業し、ベルリンの鉄道網は大きく変化しました。

新中央駅の開業により、ベルリンの南方・北方から来る列車は、外環状線を迂回せずに直接ベルリンに入れるようになり、時間短縮が実現しました。また、都心部を東西と南北に貫通する路線と二重の環状線を有機的に結ぶ鉄道網が完成しました。

周辺の駅

ベルリン中央駅には、ICE、EC、IC、RE、Sバーン、地下鉄など、様々な列車が乗り入れています。隣の駅は以下の通りです。

ドイツ鉄道：シュパンダウ駅、ベルリン東駅、ゲズントブルンネン駅、ズュートクロイツ駅など
ベルリンSバーン：ベルヴュー駅、フリードリヒ通り駅
ベルリン地下鉄：連邦議会駅

ベルリン中央駅は、ベルリンの交通の要所として、重要な役割を果たしています。

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