ベルリン会議 (1878年)

ベルリン会議 (1878年)

ベルリン会議は、1878年6月から7月にかけて、ドイツの宰相オットー・フォン・ビスマルクによって主催された国際会議です。この会議は、露土戦争の結果生じた国際的な対立を解決することを目指し、イギリス、フランス、ドイツ、オーストリア＝ハンガリー、ロシア、イタリア、オスマン帝国の7か国が参加しました。その結果、バルカン半島における新たな国々の領域が定められました。

会議開催の背景

1856年に締結されたパリ条約によって、欧州各国はバルカン半島での勢力均衡が保たれていました。しかし、1875年に起こったヘルツェゴヴィナ蜂起が引き金となり、露土戦争が勃発し、この均衡は崩れてしまいます。ロシアを除いた欧州の国々は、国際的な対立が拡大することを恐れ、調停に乗り出しました。この中で、オーストリア＝ハンガリー帝国はロシアと秘密協定を結び、調停案を提示しましたが、会議は失敗に終わります。その後の1878年、露土戦争の講和条約であるサン・ステファノ条約が結ばれ、ロシアの主導のもとに新たな国々が相次いで独立することになります。

ベルリン条約の成立

この状況を受け、ビスマルクは誠実な仲介者としての役割を果たすことを決意し、ベルリン会議を開催しました。サン・ステファノ条約が実施されれば、ロシアの勢力圏が大きく拡大し、エーゲ海まで達します。これに対し、イギリスは強く反対しました。オーストリア＝ハンガリーも表面的には反発し、バルカン半島の戦前の秩序を回復することが現実的ではない状況を作り出しました。

会議は約1ヶ月間続き、その結果、ベルリン条約が締結されました。この条約ではサン・ステファノ条約の内容が大幅に修正され、セルビア、モンテネグロ、ルーマニアの正式な独立が認められました。一方、ブルガリア公国は事実上3つに分けられ、自治国とはいえ独立が承認されました。この結果、オスマン帝国の東ヨーロッパにおける支配が事実上終焉を迎えることになりました。

会議の参加者

この歴史的な会議には、主要な列強が参加しました。イギリスからは首相ベンジャミン・ディズレーリ、外相ソールズベリ侯が、ロシアからは外相アレクサンドル・ゴルチャコフ、公使ピョートル・シュヴァロフが出席しました。オーストリア＝ハンガリーからは首相アンドラーシ・ジュラ、ドイツからはビスマルクが、オスマン帝国からはカラテオドリー・パシャなどが参加しました。

影響とその後

ベルリン会議の結果、ロシアはサン・ステファノ条約の修正に不満を示し、三帝同盟からの脱退を決めます。しかし、ビスマルクはロシアの南下政策を否定し、フランスとロシアの対抗を図るため、独露再保障条約を締結します。これにより、一時的な安定がもたらされましたが、その後ビスマルクが辞任すると状況は一変します。

ベルリン条約が崩れると、ロシアは再びフランスと接近し、露仏同盟を結びます。それに対抗する形でドイツは国際的な孤立を避けようとし、過去とは異なる外交政策を展開するようになります。バルカン半島の緊張は高まり、地域間の紛争は次第に激化していきました。

このように、ベルリン会議はバルカン半島およびヨーロッパ全体に深い影響を与え、その後の国際情勢における重要な転機となりました。

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