ベルリン-シュチェチン線

ベルリン-シュチェチン線は、ドイツの首都ベルリンとポーランドのシュチェチンを結ぶ、全長134.5kmの鉄道路線です。ドイツ鉄道によって運営され、ドイツとポーランド間の貨物輸送において重要な役割を果たしています。

概要

この路線は、ベルリン北駅からブランデンブルク州を経由し、ポーランドの西ポモージェ県にあるシュチェチン中央駅へと至ります。ベルリン中心部からベルナウ駅までの区間には近郊線が併設されており、ベルリンSバーンが利用しています。電化区間はパッソウ駅からシュチェチン・グミエニツェ駅の間を除き、全線電化されています。

歴史

私鉄時代

1836年3月、ベルリン・シュテティーン鉄道株式会社が設立され、同年7月10日に鉄道建設の免許を取得しました。1842年 8月1日にベルリン - エーバースヴァルデ間、同年11月15日にはエーバースヴァルデ - アンガーミュンデ間が開業しました。1843年 8月15日にはベルリン - シュテティーン間が全線開業し、旅客列車は1日2往復で所要時間は4時間20分から30分ほど、貨物列車は1日1往復で所要時間は5時間21分でした。

1863年にベルリン - アンガーミュンデ間の複線化が、1873年にはアンガーミュンデ - シュテティーン - シュタルガルト間の複線化が完了しました。1880年 2月1日に国有化され、プロイセン邦有鉄道の一部となりました。

国有化後

1897年12月12日、ベルリン・ヴェディング区のグリューンターラー通り付近がベルリン環状線のゲズントブルンネン駅に接続するルートに切り替えられました。ボルンホルマー・シュトラーセ駅からはベルリン北部線が分岐するようになり、当区間の貨物線は同年5月1日に開業しました。

1903年から1906年にかけて、ベルリン・シュテティーン駅は拡張され、近郊列車向けに改良されました。20世紀初頭の道路交通の急成長により、踏切の存在が交通渋滞を引き起こしたため、立体交差化が必要となりました。1912年から1916年にかけてベルリン - ベルナウ間が連続立体交差化され、長距離線と近郊線が分離されました。近郊線の電化も計画されましたが、第一次世界大戦の影響で一旦中止されました。

第一次世界大戦後

第一次世界大戦後間もなく、近郊線が電化されました。当初は交流16.7Hz 15kVでの電化が予定されていましたが、最終的には直流750Vで電化されることになりました。しかし、1923年のハイパーインフレの影響で建設が遅れ、1924年夏に完成しました。1930年12月1日からはベルリンSバーンの一部として扱われるようになりました。

1933年のナチ党の権力掌握後、失業率対策の公共事業の一環としてベルリンの南北をSバーンの地下線で結ぶことが決定され、翌年に開始されました。ボルンホルマー・シュトラーセ駅およびフンボルトハイン駅が新たに設置されたほか、1936年のベルリンオリンピック直前には南北トンネルが開通し、ベルリン・シュテティーン駅は地下化および移設されました。

第二次世界大戦後

第二次世界大戦終了後、ソビエト連邦への賠償として単線化が行われました。国境線も変更され、シュテティーンはポーランド領となり、シュチェチンと呼ばれるようになりました。アンガーミュンデ - シュチェチン間の重要度は低下し、特に旅客列車は1日1往復にまで減便されました。

1950年にはベルリン側の終着駅であったベルリン・シュテティーン駅もベルリン北駅に改称されましたが、駅までの間に西ベルリンを経由する区間が存在したため、1952年 5月18日に一旦廃止されました。列車はベルリン＝リヒテンベルク駅へ向かうベルリン外環状線およびベルリン市街線を経由しました。

1980年代にはベルリン＝パンコウ駅 - パッソウ駅間が電化されましたが、パッソウ - シュチェチン間は非電化のまま残されました。

ドイツ再統一後

2006年 5月27日のベルリン中央駅開業後は、ゲズントブルンネン駅を経由して南北長距離線に向かう列車が設定されるようになりました。

ヨーロッパ統合の流れにもかかわらず、国境を跨ぐ区間であるアンガーミュンデ - シュチェチン間の線路状況は依然として劣悪なままです。パッソウ駅 - シュチェチン・グミエニツェ駅間は現在も単線非電化ですが、2020年を目処に複線化、電化、および160km/h対応化を行う計画があります。

ベルリン-シュチェチン線