ベルンハルト・クロル

ベルンハルト・クロル（Bernhard Krol）は、1920年6月24日にベルリンで生まれ、2013年4月17日にその生涯を閉じた、ドイツを代表する作曲家であり優れたホルン奏者でした。

早くも11歳という若さで作曲に興味を示し、その後、ホルンの研鑽と並行してウィーンでヨーゼフ・ルーファーに作曲を師事するなど、多岐にわたる音楽教育を受けました。ウィーンとベルリンでの学びを終えた彼は、演奏家としての輝かしいキャリアをスタートさせます。

1945年から1962年までの17年間、世界的に名高いベルリン・フィルハーモニー管弦楽団でホルン奏者を務め、その後は1962年から1979年までシュトゥットガルト放送交響楽団に移籍し、同様に首席ホルン奏者として活動しました。長年にわたりオーケストラの重要なパートを担い、その演奏技術は高く評価されていました。

作曲家としてのクロルは、師であるルーファーから十二音技法の影響を受ける機会がありましたが、最終的にはマックス・レーガーやパウル・ヒンデミットといった先人たちの音楽的伝統に根差した、調性に基づいた独自のスタイルを確立しました。彼の作品リストには番号が付けられたものが約180曲あり、その大多数を教会音楽が占めているのが特徴です。オルガン曲や合唱曲、ミサ曲といった声楽作品の他、管弦楽曲や室内楽曲など、幅広いジャンルで筆を振るいました。特に教会音楽への貢献は顕著であり、2007年には長年の功績が認められ、当時の教皇ベネディクト16世から聖シルベストロ教皇騎士団勲章を授与されています。

演奏家および作曲家としてドイツ楽壇に貢献した功績は国内外で高く評価されており、1981年にはドイツ連邦共和国功労勲章を受章しています。さらに1990年には「教授」の称号を授与され、後進の指導や学術的な面でも音楽界に貢献しました。

ベルンハルト・クロルは、演奏家としての卓越した技量と、独自の音楽性を追求した作曲家としての創造力をもって、ドイツ音楽史に確かな足跡を残しました。特に多数の教会音楽は、現在も多くの場で演奏され、彼の遺した豊かな音楽世界を伝えています。

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