ベレッタM8000

ベレッタ M8000 クーガー：革新的なロッキングシステムが生んだ傑作

ベレッタ M8000、通称「クーガー」は、イタリアの名門銃器メーカー、ベレッタ社が1995年に発表した自動拳銃です。この銃は、同社の伝統を打ち破る革新的な設計思想が盛り込まれており、その後のベレッタ製品に大きな影響を与えました。

開発の背景：耐久性とコンパクト化への挑戦

ベレッタ社は、M1915から92シリーズに至るまで、スライド上部を大きく切り開いたデザインを特徴としていました。しかし、このデザインは強度面で課題があり、耐久性を高めるためにスライドを肉厚化する必要がありました。そこで、ベレッタ社は新たなロッキングシステムとしてローテーティング・バレル式を採用し、M8000を開発しました。

ローテーティング・バレル式：革新的なロッキングシステム

ローテーティング・バレル式は、銃身が回転することでロックを解除する方式です。これにより、従来のプロップアップ式に比べて強度が高まり、.45ACP弾や.357SIG弾といった高威力弾の使用が可能になりました。また、反動の軽減や銃本体のコンパクト化にも貢献し、ベレッタ M8000は、NATO軍のテストで30,000発の発射に耐えるという驚異的な耐久性を示しました。

バリエーション

M8000シリーズは、使用する弾薬に応じて様々なバリエーションが存在します。

M8000：9x19mmパラベラム弾を使用する基本モデル
M8357：.357SIG弾を使用するモデル
M8040：.40S&W弾を使用するモデル
M8045：.45ACP弾を使用するモデル

また、機能や形状によっても以下のバリエーションがあります。

クーガーF：ダブル/シングルアクション、デコッキング機能付きセーフティレバー装備
クーガーD：ダブルアクションのみ
クーガーG：デコッキングレバー装備
クーガーL：軽量バージョン(ショートグリップ、軽量化スライド)
クーガーL typeP：軽量バージョン(軽量化スライド、標準グリップ)
Inox：ステンレスモデル

現在の状況：製造終了とライセンス生産

ベレッタ社は、2005年に後継モデルであるPx4を発表し、M8000シリーズの製造を終了しました。しかし、現在ではアメリカのストーガー・インダストリーズ社がトルコでライセンス生産されたモデルを「ストーガー・クーガー」として販売しており、ベレッタ社のラインナップにも掲載されています。

登場作品

ベレッタ M8000は、映画、テレビドラマ、アニメ、ゲームなど、様々なメディアに登場しています。

CSI:マイアミ：ホレイショ・ケインが使用
首領への道：金沢慎市、井波慎二が使用
ネイビーシールズ: チーム6：CIAエージェントのワセムが使用
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX|攻殻機動隊_STAND_ALONE_COMPLEX：強盗が使用
ヨルムンガンド：師匠、チナツが使用
アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝：イージス 9mmの名称で登場
スプリガン・ルナヴァース：大槻達樹の愛用銃
バイオハザード ガンサバイバー：アーク・トンプソンが使用

まとめ：ベレッタの歴史に名を刻む名銃

ベレッタ M8000は、革新的なローテーティング・バレル式ロッキングシステムを採用し、耐久性とコンパクト化を実現した自動拳銃です。ベレッタ社の歴史において重要な位置を占める銃であり、現在でもストーガー社によって製造が続けられています。

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