ベレン (パラー州)

ベレン（Belém）

ベレンはブラジル北部に位置するパラー州の州都で、2020年の時点で約150万人の住民を擁しています。特に、マンゴーの並木道が有名で、美しい街並みを形成しています。日本人や日系ブラジル人のコミュニティも存在し、約3000人がこの町に住んでいます。日系団体や病院、日本の領事事務所もあり、文化的な交流が行われています。

歴史的背景

ベレンの歴史は1615年にさかのぼります。この年、ブラジル総督がアマゾン川の調査隊を監視するために、フランシスコ・カルデイラ・カステロ・ブランコに指揮を与えました。1616年に彼はグアハラ湾に寄港し、その後133-185km上流にカステロ要塞を築きました。1655年には市としての地位を得、17世紀末まで砂糖の貿易が主要な産業でしたが、その後牧畜業にシフトしました。米や綿花、コーヒーもまた重要な産業として知られています。しかし、南部地域への入植が進むと、競争に敗れ衰退を余儀なくされました。

1772年、ベレンはパラー州の州都として正式に位置付けられ、1836年には内戦の後に平和が訪れましたが、多くの人々の命が失われました。1866年までにアマゾン地方は開拓が進み、ベレンはゴムの輸出によって繁栄しました。しかし、1910年から1912年にかけての価格高騰の後、ゴムの時代は終焉を迎えました。現在、ベレンは北部地方の商業の中心地として位置づけられ、アマゾンの集散地として活発な経済を展開しています。

人口と人種

最新の人口統計によると、ベレンは1991年に約84万人、2000年には127万人、2010年には138万人、そして2016年には143万人に達しました。人種構成は、混血64.5%、白人27.5%、黒人7.3%、アジア人及び先住民が0.7%を占めています。また、先祖のDNA構成としては、68.6%がヨーロッパ人、20.9%が先住民、10.6%がアフリカ系となっています。

地理と気候

地理的にはベレンはアマゾン川の河口南岸に位置し、南緯1度26分、西経48度30分にあたります。気候は高温多湿で、年間を通じて最高気温は30度から32度、湿度は80%から90%に達します。

交通手段

交通網も充実しており、ブラジル中部とは陸路でつながり、長距離バスがブラジリアやサンパウロ、リオデジャネイロへ運行しています。また、空路ではパラ州内の他の都市やブラジリア、北東部の街、マナウスなどとリンクしています。特に、ヴァウ・デ・カンス国際空港とプロタシオ・デ・オリヴェイラ空港が主要な空港です。

姉妹都市

ベレンは数つの姉妹都市関係を持っています。2004年にはマナウス、2006年にはゴイアニア、2007年にはアヴェイロ、2011年にはフォール＝ド＝フランスと提携を結びました。

文化的影響

文学などの文化的コンテキストでもベレンは重要な役割を担っており、高野秀行の「巨流アマゾンを遡れ」などの作品にも舞台として扱われています。

これらの要素が組み合わさり、ベレンは歴史的、文化的に魅力的な都市として知られています。

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