ベンゲット州

ベンゲット州

ベンゲット州は、フィリピン北部ルソン島の中央部に位置する内陸の州です。コルディリェラ行政地域（CAR）に属しており、北はマウンテン州、東はイフガオ州とヌエヴァ・ヴィスカヤ州、南はパンガシナン州、西はラ・ウニョン州、北西はイロコス・スル州と隣接しています。

歴史

ベンゲット州は、1966年6月18日にイロコス地方の一部となりました。その後、1987年7月15日にCARが設立されると、その構成州の一つとして現在に至っています。

地理と気候

州の面積は2,655.4平方キロメートルで、CAR内では最も人口が多い州です。州内には、アンブクラオダムとビンガダムがアグノ川上流に建設されており、発電された電力は首都マニラへ送電されています。

ベンゲット州は標高1,000mから2,000mの高地に位置するため、マニラと比較して気温が約10℃低く、過ごしやすい気候が特徴です。特に7月から8月にかけても、25℃を超えることが少ないです。1月から3月にかけては、州都ラ・トリニダードでは日中15～20℃、夜間10～13℃となり、標高2,000mの地域ではさらに気温が下がります。降雪は見られません。年間を通して、6月から11月が雨季、12月から5月が乾季となっています。

経済

ベンゲット州は高原野菜の栽培が盛んで、「ルソン島の菜園」とも呼ばれています。特にラ・トリニダードの谷間では、キャベツ、ニンジン、ジャガイモ、レタス、大根、イチゴなどが特産品として栽培されています。これらの野菜は、州都ラ・トリニダードの集積基地であるトレーディング・ポストに集められ、主にマニラ首都圏に出荷されます。これらの野菜は「バギオ野菜」として知られ、他の産地のものよりも高値で取引されることもあります。

また、鉱業も盛んで、金や銅などの資源が産出されています。

姉妹自治体

ベンゲット州は、日本の高知県と姉妹提携を結んでいます。この提携は1975年7月28日に締結されました。

州都

最大の都市はバギオですが、バギオは州から独立した都市です。州都は地方自治体の1つであるラ・トリニダードで、人口は約10万人です。

まとめ

ベンゲット州は、フィリピン北部の山岳地帯に位置し、冷涼な気候と肥沃な土地を活かして農業が盛んな地域です。特に高原野菜の生産は、マニラ首都圏への重要な供給源となっています。また、鉱業や姉妹都市交流も行われており、経済的にも文化的にも多様な面を持つ州です。

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